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現役公認会計士・税理士が教える「上手な公認会計士・税理士の使い方」

日本情報マート

2019.01.15

 公認会計士は、一般的には「会計士」の名称で知られている国家資格(公認会計士法に基づく)で、約3万人が登録しています。同様に、税理士も国家資格(税理士法に基づく)で、約8万人が登録しています。

 公認会計士は監査および会計の専門家、税理士は税務のスペシャリストです。例えば、税務書類の作成を請け負ったり、会社の財務状況や税務に関する相談先になったりします。頼れる公認会計士・税理士の見極め方や依頼のポイントは何か。現役公認会計士・税理士に聞いてみました。

1 公認会計士の主な業務

1)監査業務

 企業の財務諸表について、第三者の立場から内容などを確認して、「適正」(内容が正しい)であるかどうかの意見を表明します。監査は公認会計士の独占業務になります。監査が義務づけられているのは、上場企業など、一部の企業などに限られていますが、最近では、一定規模の医療法人や社会福祉法人に新たに監査が義務づけられるなど、監査に対する社会的期待が高まっています。

2)コンサルティング業務

 経営全般にわたるコンサルティングを行います。M&Aや組織再編といった専門分野に直接関係するテーマだけではなく、経営戦略の策定、生産管理システムの開発・導入など、それぞれの公認会計士が、自分の得意分野を生かしたコンサルティングを行っているケースもあります。

3)税務業務

 税務に関する業務です。公認会計士は、税理士登録し、税理士会に入会すれば、後述する税理士と同じ業務を行うことができます。

2 税理士の主な業務

1)税務書類の作成

 企業が税務署に提出する、法人税などに関する申告書などの書類を作成します。また、社長個人の所得税や相続税の申告書などの作成依頼も多く引き受けます。税務書類に記載すべき事柄は細かく、また計算も複雑です。例えば、税額控除などを受ける場合の添付資料など、事細かく決められています。正確かつ、自社にとって最適な税務書類を作成するためには、税務に関する幅広い知識が必要です。また、これらの業務を税理士に依頼することで、経営者の事務負担は軽減されます。

2)税務の代理

 企業に代わって、確定申告書の提出や税務調査の立ち会い、税務署の更正・決定などに不服がある場合の申し立てなどを行います。例えば、税務調査では、具体的にどういった点が調べられるのかなどを踏まえた事前準備から、調査後の交渉・税務書類の作成まで対応します。税務調査に慣れている経営者は多くありません。調査中、どういったことを話せばいいのかなどのアドバイスも行います。

3)会計業務

 財務諸表などの決算時の資料や月次試算表などの月々の財務関係の資料を作成します。また、定期的に訪問を受け、財務資料の内容について報告してもらうことで、自社の現状を正確に把握することができます。

4)コンサルティング業務

 税務面を中心としたコンサルティングを行います。税額試算、納税対策に関するテーマが多くなりますが、企業の資金繰りや経営戦略・組織再編などのコンサルティングも行います。「こんな設備投資を考えているのだけど、税優遇を受けられる制度はないか?」などの相談に乗ってくれます。

3 企業から公認会計士・税理士に寄せられる相談・依頼ベスト5

1)会計処理、決算処理の相談・依頼

 最も多いのは、会計処理、決算処理の相談・依頼です。財務諸表や月次試算表などの作成の他に、例えば、「この売上は今期分として計上してよいのか」「この支出は全額を費用処理してよいのか」といった会計処理に関する相談を受けます。

2)事業承継や相続に関する相談・依頼

 事業承継や相続に関する相談・依頼です。事業承継や相続を円滑に進めるために、さまざまなテーマの相談・依頼を受けます。例えば、自社株式の評価、相続税の納税資金の確保の方法、社長の財産分割案の策定やアドバイスなどを求められます。

3)経営改善・資金調達などに関する相談

 資金繰りや財務状況の改善、金融機関からの借り入れに関する相談です。また、グループ再編やM&Aなどの事業再編に関して支援することもあります。

4)経営管理面での財務・税務に関する相談

 経営管理上の財務・税務に関するさまざまな相談を受けます。例えば、財務分析に基づく事業計画の策定、設備投資を検討する時の収支計画の策定などを行います。また、各種税額控除など税制優遇制度の活用に関する相談などもあります。

5)社内業務の委託・依頼

 日々の経理事務や従業員の給与計算など、企業の“お金まわり”の業務の受託や、個別処理に関する相談を受けます。

4 公認会計士・税理士に相談・依頼する際の4つのポイント

1)過去資料を準備する

 会計処理・決算処理を初めて依頼するケースで考えてみましょう。

 まずは、これまでの決算書類など、過去の資料を準備します。公認会計士・税理士によっては、過去の仕訳データをもとに、「部門別・取引先別売上高の推移」など、これまでは作成できなかった細かな資料を提供してくれることがあります。そのため、こうしたデータも公認会計士・税理士に提供できるよう準備しておくとよいでしょう。なお、準備する資料は過去3~5年程度が目安です。

2)会計の責任者が同席する

 具体的な会計処理や決算処理について、経営者が把握していないケースがあります。そのため、現在の業務フローや会計上の課題などを熟知している会計の責任者が同席すると、話がスムーズに進みます。

3)要望事項を明確にする

 依頼する業務やスケジュールなど、要望事項を整理しておきます。例えば、決算処理・会計処理だけではなく、記帳代行や給与計算なども併せて依頼するのかといった点です。また、月次試算表の作成など、月々の業務については、「翌月10日までに提供してほしい」といった、具体的なスケジュールも決めておきましょう。

4)依頼のタイミングに注意する

 会計処理、決算処理は期首から依頼するとスムーズに進みます。期中に依頼する時は、申告書の提出期限など、法令で定められているスケジュールに注意しましょう。

5 気になる相談料。公認会計士・税理士に相談・依頼するといくらかかる?

1)事前に確認し、比較してみる

 公認会計士・税理士の報酬は、それぞれの事務所によって違ううえに、顧客の企業規模などによっても違います。

 ここでは、一応の目安を紹介しますが、実際は、事前にその事務所のホームページで確認したり、電話で尋ねたりするようにしましょう(報酬の他に、依頼内容によっては収入印紙代、交通費などの実費が必要になる場合があります)。

2)顧問料

 多くの事務所では、顧問契約を交わし、定期的な税務相談、月次財務資料の提供、決算業務、申告業務など、税務・会計に関する業務を包括的に受託しています。

 年間の顧問料は、「月額顧問料×12カ月+決算処理などにかかる料金(月額顧問料の4~5カ月程度)」で計算することが一般的です。金額は企業規模や受託業務の内容によって年間50万円前後~数百万円と幅があります。中小企業の場合は、年間50万円~200万円程度が目安になります。

 この他、月額顧問料1万円などの格安の事務所もあります。ただし、「他の事務所では毎月提供している資料が、四半期ごとの提供となる」といったように、サービス内容に制限があることが多いので、利用を検討する時には注意しましょう。

3)スポット料金

 事業承継や組織再編など、単発の業務について発生する料金です。報酬額は内容によって大きく変わります。そのため、話し合いのなかで依頼する業務の内容と報酬額をしっかりと決め、契約書を締結して書面に残すようにしましょう。

6 信頼できる公認会計士・税理士を選ぶ3つのポイント

1)経営判断に役立つ助言ができる公認会計士・税理士であるか

 相談の背景を理解して複数の対策を提案してくれることは、信頼できる公認会計士・税理士を選ぶ際の大切な条件です。

 また、特に税務は、企業にとって、メリットだけではなく、デメリットもあることが少なくありません。公認会計士・税理士に依頼する業務は、専門家でないとわかりにくいこともありますが、こうした点も丁寧に説明してくれて、経営者が最良の判断をできるような助言をしてくれる人を選びましょう。

2)課題解決に適した公認会計士・税理士であるか

 公認会計士・税理士といっても、専門分野すべてに精通しているわけではありません。例えば、「法人税には詳しいが、相続税については実務経験が少なく、知識もあまりない」という税理士もいます。そのため、課題解決に必要な経験や知識が豊富な公認会計士・税理士を選ぶことが大切です。得意分野は、事務所のホームページの情報をみたり、直接、公認会計士・税理士にこれまでの実績を聞いたりして確認しましょう。

3)要求するスピードに応えることのできる公認会計士・税理士であるか

 公認会計士・税理士に依頼する業務の多くは、スピードが大切になります。例えば、財務状況をタイムリーに把握するためには、月次試算表などの月々の資料は、スピーディに提供してもらう必要があります。

 このように、自社が求めるスピードに対応できることも公認会計士・税理士選びでは大切なポイントとなります。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年1月15日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:日本情報マート
監修:辻・本郷税理士法人 公認会計士 齊藤泰彰、税理士 安積健

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