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3つの視点でまとめる 資金調達方法

日本情報マート

2020.11.09

 資金は会社の血液であり、事業の存続のために資金を絶やさないことが不可欠です。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、この事実を改めて認識した経営者も多いはずです。経営の先行きはいつも不透明といえるからこそ、資金調達方法の検討は経営者の重要な責務の1つです。
 近年は、オンラインで申し込みができ、審査もスピーディーな「オンライン融資(オンラインレンディング)」が登場するなど、経営者の貴重な時間を短縮できる資金調達方法も登場しています。また、いざというときに備えて融資枠を確保できる「ビジネスローン」もあります。例えば、りそな銀行では次のようなサービスを用意しています。

 本稿では、ビジネスローンなどを含め、さまざまな資金調達を紹介していきます。資金調達方法は、貸借対照表上の「資産」「負債」「純資産」の3つの視点で整理すると分かりやすくなります。

1 「資産」を見直すことで資金を調達する

 貸借対照表の「資産」に計上されている項目に関する資金調達には、ファクタリング、動産担保融資、リース、不要な資産の売却があり、アセットファイナンスと呼ばれます。それぞれ保有資産を現金化したり、資産購入時の支払いを先延ばしたりすることで行われます。

1)ファクタリング

 ファクタリングは、会社がファクターと呼ばれる事業者に対して、回収期日前の売掛債権を譲渡することで現金化する資金調達方法です。利用に際しては、ファクターへの手数料が必要になることや、基本的には売掛先の同意を取り付けなければならないので注意が必要です。

2)動産担保融資(ABL_Asset Based Lending)

 動産担保融資は、原材料・在庫・売掛金などを担保に金融機関から融資を受ける資金調達方法です。企業の事業性などを考慮した上で動産の担保価値を評価するため、「経営能力は高いものの、不動産など一般的な担保が乏しい」ケースでも、相応の金額の資金を調達できる可能性があります。

3)リース

 リースはリース会社を通して設備を導入する方法であり、契約で定めるリース期間にわたって、リース料を支払います。そのため、購入すると多額の資金が必要になるような設備もリース期間にわたって分割払いすることで、少額の手元資金で設備の導入ができます。
 リースの利用は、直接的な資金調達方法ではありませんが、資金調達と同じような効果を得ることができるため、高額な設備購入の際には検討しましょう。

4)不要な固定資産の売却

 不要だけれど、会社が保有し続けている固定資産を売却し現金化する資金調達方法です。例えば、活用されていない建物や土地、現在取引がなくなった得意先の有価証券などがあります。
 また、在宅勤務の広がりにより、以前はオフィスにあることが当たり前だったものも、不要になっている可能性があります。例えば、オフィス機器や家具類など(備品)は、全社員がオフィスにいることが前提の分量が用意されていましたが、在宅勤務によりオフィスに通勤する社員の数が激減し、使用していないものが相当数出てきます。現状にあった見直しにより資金調達とまではいかないまでも、コスト削減による資金確保ができるかもしれません。

2 「負債」に計上される方法で資金を調達する

 貸借対照表の負債に計上される資金調達には、金融機関(銀行や保険会社など)からの借入や社債の発行などがあり、デットファイナンスと呼ばれます。この方法により資金調達した場合には、調達した金額(元本)と利息の返済・支払いが必要になります。

1)金融機関からの借入(融資)

 金融機関からの借入(融資)は、資金調達時の交渉相手が金融機関だけであり、比較的手間のかからない資金調達の方法で、主なものに当座借越、手形借入、手形(電子記録債権)割引などがあります。

1.証書借入(オンラインレンディング含む)

 証書借入は、金額、利率、借入期間、返済条件などを記載した金銭消費貸借契約証書を金融機関に差し入れる資金調達方法で、主に比較的大きな額の設備資金など、中長期資金の調達に利用されます。
 この証書借入の一部で、オンライン上で申し込みから審査、入金までが完結するのがオンラインレンディング(オンライン融資)と呼ばれる借入方法です。会計データなどを基にAIが審査を行うため、手続き全てがオンライン上で済み、スピーディーに借入できるのが大きな特徴です。
 その一方で、オンラインレンディングは金利の高さが注意点の1つですが、例えば、りそな銀行のオンラインレンディング「Speed on!(スピードオン)」のように、金利1.0%~9.0%(変動金利)と活用しやすいものもあります。

2.当座借越(ビジネスローン含む)

 当座借越は、当座預金の残高を超えて融資を受ける資金調達方法で、機動的に資金調達できるため、主に短期の運転資金の調達に利用されます。金融機関と当座勘定借越契約を結ぶことで、契約の限度内で何度でも借り入れることができ、ビジネスローンなども該当します。
 例えば、りそな銀行のビジネスローン「活動力」は、第三者保証不要、無担保対応、来店不要(原則)で、創業後間もない経営者でも申し込みやすくなっています。こうしたビジネスローンを活用し、今すぐ借りるのではなく、いざというときのために「融資枠」をつくっておくのも、重要性が増しているBCPの一環といえるかもしれません。

3.手形借入

 手形借入は、自社が金融機関を受取人とした手形を振り出して融資を受ける資金調達方法で、3カ月程度の短期の運転資金の調達に利用することが一般的です。

4.手形(電子記録債権)割引

 手形(電子記録債権)割引は、支払期日前の手形や電子記録債権を金融機関に譲渡して融資を受ける資金調達方法です。資金調達できる金額は、手形の場合は額面金額から割引料(金利+手数料相当額)を差し引いた金額、電子記録債権の場合は金融機関に譲渡した金額から割引料を差し引いた金額となります。

2)社債発行

 社債の発行は、社債(会社が発行する債券)を、投資家などに引き受けて(購入して)もらい資金を調達する方法です。社債を発行する方法として、私募債と公募債があり、私募債は投資家を限定する方法で、公募債は不特定多数の投資家などに対して発行する方法です。また、企業が発行する社債には、次のような種類があります。

企業が発行する社債を示した画像です

3 「純資産」に計上される方法で資金を調達する

 貸借対照表の純資産に計上される資金調達には、株式の発行やクラウドファンディングなどがあり、エクイティファイナンスと呼ばれます。資金調達した金額(出資額など)の返済は必要ありません。ただし、配当により出資者に対する支払いが必要であったり、発行する株式の種類によっては投資家による経営介入のリスクが高まったりする可能性があります。

1)株式の発行

 株式の発行の方法は、「公募」「株主割当」「第三者割当」の3つに分けられます。
 公募は、不特定多数の者に対して募集を行う形態です。証券取引所(金融商品取引所)への上場時や、上場後に行うのが一般的です。
 株主割当は、既存株主に株式の割当を受ける権利を与えた上で、これらの者に株式を発行する形態をいいます。
 第三者割当は、特定の者のみを相手に募集を行い、その者だけに株式を発行する形態です。例えば、ベンチャーキャピタルや役員・従業員などの自社の関係者に対して、新たに引き受けてもらいます。
 また、企業が発行できる株式には、次のような種類があります。

企業が発行できる株式を示した画像です

2)クラウドファンディングの利用

 クラウドファンディングは、ウェブサイト上で企業と出資者を仲介して資金調達する方法です。
 出資者は、リターン(返礼)を受け取るなどができます。このリターンの内容によって、さまざまな種類に分けられます。一般的に利用されるのは、株式型、ファンド型、融資(貸付)型、購入型、寄付型などです。なお、株式型とファンド型以外は、純資産に計上される資金調達ではありませんが、まとめてここで紹介しています。

1.株式型

 株式型は、未公開株式を提供して事業資金を募集する方法です。企業の調達可能額が年間で1億円未満、出資者の投資可能額は同一の企業につき年間で50万円以下といった制限があります。

2.ファンド型

 ファンド型は、ファンドを組成した上で、事業資金を募集する方法です。融資(貸付)型と似ていますが、利息ではなく事業の配当を支払います。配当だけでなく、事業で作られた商品やサービスの割引券などを提供する場合もあります。

3.融資(貸付)型

 融資(貸付)型は、ソーシャルレンディングともいわれる方法で、事業資金への融資を募集します。融資してくれる人には元金を返済し、利払いをします。なお、受け取ったお金は、通常の融資と同様貸借対照表の負債(借入金)として計上されます。

4.購入型

 購入型は、リターンは支援金額に応じた金銭以外の商品やサービスになります。例えば、新製品の開発・生産コストを募集するプロジェクトであれば、商品を一般販売よりも先行して手に入れられるといった特典が付いている場合があります。なお、受け取ったお金は一旦貸借対照表の資産(前受金)として計上し、商品などを引き渡した時に損益計算書の収益(売上)に計上されます。

5.寄付型

 寄付型は、被災地支援や途上国の支援など社会的意義が大きい一方で、収益が見込めないプロジェクトで多く採用されることが多く、リターンがないものをいいます(活動報告書など無償の成果物が提供される場合があります)。なお、受け取ったお金は損益計算書に収益(受贈益などの勘定)として計上されます。

4 上記以外の主な資金調達方法(助成金・補助金)

 国(各省庁)や地方自治体などでは、創業間もない会社に対する助成金・補助金事業を行っています。助成金・補助金は、原則、返済の必要がありませんが、一定の要件に該当する場合しか利用できなかったり、該当していても応募者数が多い場合などは受給できなかったりすることがあります。また、提出する書類が多く手続きが煩雑であったり、多くの助成金・補助金は受け取った資金用途が決められたりするので注意しましょう。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年11月9日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:日本情報マート

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