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話題の事業再構築補助金について~補助金のルールブックを紐解き解説します~

日本情報マート

2021.04.02

 今話題の事業再構築補助金に関し、2021年3月26日に公募要領が発表されました。第1回の公募期間は3月26日~4月30日(18時)で、いよいよ本格的に申請内容や事業計画を検討する時期です。
 前回の記事では事前準備についてお伝えいたしました。今回は、補助金のルールブックである公募要領を基に、申請のポイントを解説いたします。

 私は1日2回音声SNSの“clubhouse”にて事業再構築補助金のセミナーを開いております。全3回のコラムではそのセミナーの内容の中で、ご視聴者からご質問の多かった内容、反響の大きかった内容を中心に情報提供させていただきたいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。

1 事業再構築補助金の対象

1)補助対象要件

 事業再構築補助金のそもそもの目的は「ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すこと」です。
 この目的に新規事業が沿っていることを確認した上で、補助対象要件を確認していきましょう。補助対象要件は次の通りです。

下記1.、2.の両方を満たすこと。

  • 申請前の直近6ヵ月間のうち、任意の3ヵ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3ヵ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
  • 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること。

 上記の2.について、事業終了後3~5年で、付加価値額(=営業利益+人件費+減価償却費)の年率平均3.0%(【グローバルV字回復枠】については5.0%)以上、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%(【グローバルV字回復枠】については5.0%)以上の増加を見込む事業計画を策定する必要があります。
 また、補助金額3,000万円を超える事業は金融機関(ファンド等を含む)および認定経営革新等支援機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみ)と事業計画を策定する必要があります(3,000万円を下回る事業は認定支援機関のみでよい)。


  • 【事業再構築指針】について
    支援の対象となる事業再構築は、「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」を指します。なお、「事業再構築」の類型の詳細については、「事業再構築指針」にて公表しています。申請に当たっては、各類型に定められる要件(製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高10%要件(新たな製品等(または製造方法等)の売上高が総売上高の10%以上となること)を満たす計画であることが必要となります(参考:事業再構築指針の手引き)。

    なお、製品等(製品・商品等)の新規性要件に関して、自社で過去に試作・開発したもの(販売の有無にかかわらず)、すでに小規模で実施している事業に関しては、新規性要件に当てはまらないと中小企業庁の課長が動画内で解説されています。

2)補助対象者

 補助対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者等(個人事業主を含む)と中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の中堅企業です(「中小企業等経営強化法」第2条第1項が規定する「中小企業者」や、収益事業を行う一般社団法人、一般財団法人、NPO法人等も支援の対象です)。
 公募開始日に補助対象者の要件を満たしている必要があります。


  • 中小企業の範囲

    • 製造業その他:資本金3億円以下の会社または従業員数300人以下の会社および個人
    • 卸売業:資本金1億円以下の会社または従業員数100人以下の会社および個人
    • 小売業:資本金5千万円以下の会社または従業員数50人以下の会社および個人
    • サービス業:資本金5千万円以下の会社または従業員数100人以下の会社および個人

    【注1】大企業の子会社等の、いわゆる「みなし大企業」は支援の対象外です。
    【注2】確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える場合は、中小企業ではなく、中堅企業として支援の対象となります。
    【注3】企業組合、協業組合、事業協同組合を含む「中小企業等経営強化法」第2条第1項が規定する「中小企業者」や、収益事業を行う一般社団法人、一般財団法人、NPO法人等も支援の対象です。

    中堅企業の範囲

    中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社

2 補助金額について

 申請時は、4つある枠(=申請のコース)の中から1つを選びます。枠によって補助金額が異なりますので、次の内容をご確認ください。


  • 補助金額

    • [通常枠]中小企業者等:100万円~6,000万円、中堅企業等:100万円~8,000万円
    • [卒業枠]中小企業者等:6,000万円~1億円
    • [グローバルV字回復枠]中堅企業等:8,000万円~1億円
    • [緊急事態宣言特別枠]中小企業者等、中堅企業等ともに
      【従業員数5人以下】100万円~500万円
      【従業員数6~20人】100万円~1,000万円
      【従業員数21人以上】100万円~1,500万円

    補助率

    • [通常枠]中小企業者等2/3、中堅企業等1/2(4,000万円を超える部分は1/3)
    • [卒業枠]中小企業者等2/3
    • [グローバルV字回復枠]中堅企業等1/2
    • [緊急事態宣言特別枠]中小企業者等3/4、中堅企業等2/3

 なお、緊急事態宣言特別枠に関しては、通常枠の申請要件(前章「1 事業再構築補助金の対象」)を満たし、かつ次の要件を満たす事業者が対象です。

緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3(2021)年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者(要件に合致すれば、地域や業種は問われません)

 緊急事態宣言特別枠で不採択となったとしても、加点の上で「通常枠」で再審査されます。要件に当てはまる場合は、緊急事態宣言特別枠で申請されることをおすすめいたします。

3 補助対象経費について

 補助対象経費は次の通りです。なお、公募要領発表前には、主要経費、関連経費といった区分けがされていましたが、公募発表後はその区分けがなくなりました。

建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、海外旅費(卒業枠、グローバルV字回復枠のみ)

 補助対象経費は、事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応の規模の投資を含むものであり、本事業の対象として明確に区分できる必要があると定義されています。
 そのため、一過性の支出と認められるような支出が経費の大半を占めるような場合などは、補助対象外です。補助対象外の例は次の通りです。

  • 不動産の購入費、株式の購入費、自動車等車両(事業所内や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がなく、公道を自走することができないものを除く)の購入費・修理費・車検費用
  • 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(例えば、事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォンおよびデジタル複合機、家具等)の購入費

 資産性のない経費のみを計上する事業や、1つの経費区分だけに大半の経費を計上する事業など、特段の事由がある場合には、応募申請時に理由書を添付することが必要です。
 また、補助対象経費で導入した機械などは既存事業との併用はできませんので、お気をつけください。あくまで新規事業のためだけに使用するものを申請してください。

 なお、一次公募には事前着手申請制度があります(二次公募以降、改定される可能性があります)。事務局から事前着手の承認を受けた場合、補助金の交付決定前でも事業に要する経費を補助対象とすることができます(令和3(2021)年2月15日以降に購入契約(発注)などを行った経費が対象です。また、事業着手が承認された場合でも、補助金の採択が約束されたわけではありません)。
 事前着手の申請は、受付期間内(令和3(2021)年3月26日(金)~交付決定日まで)に事務局にメールで提出してください。
 事前着手受付メールアドレス:houkoku@jigyo-saikouchiku.info
 詳しくは事業再構築補助金のHPもご確認ください。

 いかがでしたでしょうか。本稿では、2021年3月29日時点の情報を基にしております。各項目の内容は改定される場合があります。必ず最新情報を事業再構築補助金のHPでご確認ください。
 次回は申請書作成のポイントについてご紹介いたします。ちょっと手間取る内容も解説いたします。どうぞお楽しみに。

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以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年4月2日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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執筆:川崎 朋子(かわさき ともこ)
中小企業診断士
認定経営革新等支援機関

関西大学卒業後、外資系大手製薬会社で医療用医薬品の営業職に従事。
育児短時間勤務制度(1日5時間勤務)利用者ながら営業目標進捗率10ヶ月連続トップ、最優秀営業所賞受賞など実績多数。

中小企業診断士として独立開業後は150社以上の企業支援を実施。経営革新計画策定支援50社以上。補助金支援では100%の採択率を誇る。
経営コンサルティングでは支援後半年で黒字化させるなど売上と利益の向上を得意とする。コロナ禍でも飲食業支援で前年同期100%超えの実績を上げる。コンサルティングと並行してセミナー・講演や、執筆等の実績も多数。

今話題の音声SNSであるclubhouseにて毎朝・晩8:45から事業再構築補助金のセミナーを開催。2月23日現在のフォロワー数は1.6kを超える。

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