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社長として成長する

成功を呼び込む経営者の思考術

日本情報マート

2017.09.04

 社員には理解してもらえないけれど、経営者仲間で話をすると分かり合える。そんな経営者ならではの考え方があります。会社の成長、自分や家族の生活、社員とその家族の生活、社会への貢献などについて責任を負う経営者は逃げることができません。それが社員との視点の高さや広さの違いとなり、経営者ならではの考え方につながっていくのでしょう。

 この記事では、経営者ならではの考え方として「自分を鼓舞する『白い嘘』」「人を好きになるより嫌いにならない」「タフな交渉だからこそ前に出る」という3つのテーマを取り上げます。経営者としての考え方を深めるためのヒントになれば幸いです。

1 自分を鼓舞する「白い嘘」

 嘘には2種類あるといわれます。1つは、他人をおとしめたり、自分を取りつくろったりするためにつく悪い嘘。もう1つは、他人を救ったり、自分を鼓舞したりするためにつく嘘です。両者では、嘘をつく理由が全く違います。「嘘も方便」という言葉があるように、「嘘は嘘である」とひとくくりにするのは難しい面があります。こうした感覚は日本人だけのものではなく、欧米でも、悪い嘘を「黒い嘘」、方便を「白い嘘」といったりします。

 他人をおとしめる「黒い嘘」は、決して認めることはできません。一方、その時点では偽りかもしれませんが、これからの会社の成長を強く意識するために、経営者は「白い嘘」をつくことがあります。そのときには完全には実現されていない技術を、「これから必ず実現する」と宣言するような場合です。

 経営者ではありませんが、これを実践した人物として、米国の第35代大統領であるジョン・F・ケネディ氏を挙げることができます。ケネディ氏は、「われわれは月へ行くことを選びます」と宣言し、それから7年かからずにアポロ11号が月面に着陸しました。当時、宇宙開発でソ連に大きく後れを取っていた米国にとって、月面着陸は世界でリーダーシップを取っていくために重要な目標だったといえるでしょう。

 その時点で実現できていること、あるいは確実に実現できることだけでビジネスを考えていては面白みがありません。次々とチャレンジしてくる他社に打ち勝つことも難しいでしょう。だから、経営者は、時に「白い嘘」をつくのです。これから自分たちがどのように成長し、他社に対する競争優位性をどのように発揮していくのかを内外に示すために。

 ただし、「白い嘘」も嘘であることに変わりはないので、「嘘をついたまま」で終わってはいけません。経営者には理想とする会社の姿があります。それを実現するために、今、本当にすべきことは何か?を見つけ、実践していくのは経営者の仕事です。

2 人を好きになるより嫌いにならない

 ビジネスでは、人と人とのつながりが大切です。相手と良い関係を築ければ、ビジネスの可能性が広がります。そのために、多くの人は、相手を好きになる努力をします。ビジネスでは当事者の利害がなかなか一致しませんが、相手を好きになることができれば、相手のことを受け入れる余地が広がるという思いもあります。

 とはいえ、ビジネスで知り合ったばかりの人のことをすぐに好きになるのは難しいことです。ましてや、企業経営を任されている経営者は、「だまされてはいけない」という思いも強いため、会ったばかりの相手とは一歩引いて付き合わざるを得ない面もあります。

 そのため、経営者は相手を好きになる努力はもちろんですが、それ以上に「嫌いにならない努力」をします。好きではないことと、嫌いであることは全く違います。「好きではない」というのは可もなく不可もない普通の関係ですが、嫌いになると相手を避けるようになり、ビジネスがやりにくくなってしまいます。

 相手を嫌いになる理由は、見た目や話し方、考え方などさまざまです。このうち、見た目や話し方などについては、ビジネスと直接関係ないので、経営者は気にしないようにしています。

 また、相手の考え方が自分と全く違う場合は、自分の考え方を相手に合わせるわけではなく、「考え方は多様である」ことを認識し、受け入れます。あえて苦手な人と2人で会食をして、“異質”に触れる訓練をする経営者もいます。

 このように、ビジネスにおける人間関係のつくり方で大切なのは、相手を嫌いにならないことですが、「考え方は多様である」という姿勢でドライに徹し過ぎると“仲間”をつくることができません。経営者には社内外の仲間が必要です。「この人だ!」と感じる人がいれば、心を開いて相手の懐に飛び込むことも大事です。

3 タフな交渉だからこそ前に出る

 大幅な減額要請やライセンス契約の打ち切りなど、ビジネスではタフな交渉に臨まなければならないことがあります。このようなとき、「今回は守勢に回らざるを得ない」と身構える人が多いでしょう。そして、相手を怒らせないことを心掛けます。

 しかし、経営者はこのようなときこそ強気に出るという選択肢も持っています。日ごろ、相手の要求をできるだけ受け入れながら低姿勢でビジネスを進めているのは、いざというときにきちんと主張するためでもあります。

 それに、相手もそれなりに検討した結果としての減額要請などのはずなので、こちらが気を使ったところで要求が緩和されることはあまり期待できません。また、相手の要求を簡単に受け入れて、「簡単に減額できた」と軽い印象を残すのもよくありません。

 そのため、周囲には守勢に回らざるを得ない状況に見えても、経営者は前に出る選択をすることがあるのです。強く主張すると、相手の機嫌を損ねるかもしれません。また、大きな減額を受け入れざるを得なくなるかもしれません。しかし、その場は厳しい結果になっても、こちらの誠意と熱意を伝えることで、次につながる可能性があります。

 ゼロサムの交渉で損失を食い止めることを重視するか、最悪の事態も覚悟した上でプラスサムを目指すのか。どちらが正しいかはケースバイケースですが、大事な局面でこそ経営者ならではの発想で進むべき道を決断しなければなりません。

 ただし、こうした交渉ができる前提は、日ごろからきちんと商品やサービスを提供していることです。ミスが頻発しているなど、相手のこちらに対する評価が低い状態で強い交渉に臨めば、その場で契約解消の話が出てきても不思議ではありません。交渉に臨むときこそ、経営者は窓口になっている社員の言葉に真摯に耳を傾けなければなりません。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2017年9月4日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:日本情報マート

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