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社長として成長する

シリコンバレー流 仲間の集め方/イノベーションフォレスト(イノベーションの森)

日本情報マート

2018.10.15

 世界のどこにいても、そう、ここ日本でも毎日使っているツールの一つに、Google(グーグル)があるでしょう。ちょっと知りたいことをGoogleで検索してみるのですが、その際に利用するスマホやパソコンは、アップル社のiPhone(アイフォーン)やMacBookかもしれません。

 あるいは、日々の出来事をFacebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)、Instagram(インスタグラム)を使って投稿する人も多いでしょう。そして、仕事が終わると、Amazon(アマゾン)でついつい何かを注文し、外に買い物に出なくても済む日々を過ごしているかもしれません。

 お気付きの読者の方も多いと思いますが、これら全てが世界のイノベーションの聖地シリコンバレーから生まれた企業で、「GAFA」(ガーファ)などと呼ばれます。GAFAとは、「G:Google、A:Apple、F:Facebook、A:Amazon」の頭文字です。

 「えっ、シリコンバレーってどこにあるの?」

 このような読者もまだ多いかもしれません。シリコンバレーとは、米国の西海岸にあるサンフランシスコより少し南のサンマテオからサンノゼまでのエリアを指します。こう聞くと、シリコンバレーという名前の空港があるかのような都市を思い浮かべますが、5年前に筆者が初めて訪れたとき、サンフランシスコ空港とサンノゼ空港はあるのに、“シリコンバレー空港”がなくて驚いたことを覚えています。

 そう、シリコンバレーは世界一有名な場所の一つですが、地図に載っていないただの愛称なのです。そして、この地から本当に数多くのスタートアップと呼ばれる、日本でいうところのベンチャー企業(捉え方はさまざまです)が生まれ続けています。

 スタートアップ企業とは、世界を変えるイノベーションを生み出す、設立されたばかりの企業で、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから投資を受けて急成長し、イグジット(M&AやIPO)を目指しています。

 今日のコラムでは、こうしたシリコンバレーのスタートアップ企業が、どのようにして「良い人材を集めているのか?」について書こうと思います。

 少々前置きが長くなりましたが、今月号からコラムを書かせていただく森若幸次郎と申します。あだ名は、John(ジョン)ですが、別にジョン万次郎の生まれ変わりではないです。自称・他称「平成の坂本竜馬」で、日本とシリコンバレーなどをつなぎ、グローバルイノベーションを世界中の人々のより健やかな人生のために、皆様と起こしたいと思っております。

 私は、山口県下関市で創業47年目になる医療機器イノベーション企業の2代目です。シリコンバレーのスタートアップ企業で働いていたことや、日本の上場企業のシリコンバレー拠点の責任者をしたこともあります。国内外を問わず数多くのスタートアップ企業の顧問をはじめ、中小企業支援の経営コンサルティングを行っています。実際に企業の中に入って、ハンズオンで経営を一緒にさせていただいてもいます。

 19歳から7年半、オーストラリアに単身留学して日本に帰国した後、私はハーバードビジネススクールでリーダーシップとイノベーションについて学びました。日本に必要なのはアントレプレナーシップ教育(起業家精神)だと理解し、アントレプレナーが一番多い場所であるシリコンバレーと日本を行き来して、早いもので5年が過ぎました。

 さて、シリコンバレーのスタートアップ企業は、どのように「良い人材を集めているのか」ということですが、最も重要なポイントとして、彼らには明確なビジョンがあります。成功するシリコンバレーの創業者(兼)CEOの役割は、世界を自分たちの事業でどのように変えていくか、そして、自分たちのサービスやプロダクトで、世の中のどのような問題を解決するかを明確にし、未来の投資家、顧客、従業員に伝えています。

 シリコンバレーのスタートアップ企業のCEOたちは、エレベーターピッチと呼ばれるわずか45秒の間に、自分たちの会社は何をしていて、その独自のテクノロジーで課題をどのように解決しているか、そしてグローバルマーケットでどこまで成長できる事業をしているか、いつイグジット(M&A やIPO)するかを語ります。そのための準備として、エレベーターの中でいつ投資家と会ってもよいように、短時間のピッチ(投資家向け資金調達のためのプレゼンテーション)ができるように練習を繰り返しているのです。

 そして、彼らは、投資家を魅了するのと同じように、一緒に働く仲間を見つけるというか、口説き落とすことを、とても重要だと考えています。また、シリコンバレーの伝説のエンジェル投資家であるロン・コンウェイ氏は、自分が投資するスタートアップ企業で一番重要なのは、「チーム、チーム、チーム」と言っています。

 そう、トレンドを追いかけるだけ、天才CEOがいるだけでは経営はうまくいかないと、No.1スーパーエンジェル(エンジェル投資家でもたくさん投資する人)は知っているのです。コンウェイ氏は、良いチームを作れたら、あとは良いサービスを作り、自分のところにデモ(実際にサービスやプロダクトが動くところを見せること)しに来てくれたらよいと思っているのでしょう。

 良い人材を集めるためには、明確なビジョンと、それを短時間であっても分かりやすく伝えることが必要だということです。ちなみに、シリコンバレーの社長の平均年齢は29歳といわれています。これに比べて日本は58.9歳です(帝国データバンク「全国社長年齢分析(2018年)」)。

 このデータを見ると日本の経営者は高齢ですが、最近はシニアスタートアップもたくさん出てきています。社会人経験を積んだ40歳を過ぎてから起業するケースも、シリコンバレーで増えています。特に、バイオテクノロジーやヘルスケアのスタートアップは、医療現場で経験を積んだ医師やエンジニアによる起業が増えているのです。

 ビジネスに年齢は関係ありません。むしろ、ビジョンを明確にし、それを伝えながら相手を口説くということは、ビジネス経験が豊富な人のほうが得意かもしれません。良い仲間を見つけるのは、エレベーターでいつ投資家に会っても大丈夫なように周到に準備するのと同じです。つまり、出会いに貪欲であること、そして、出会ったら、どのような状況でもビジョンや気持ちをストレートに伝える訓練が必要なのです。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2018年10月15日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka
シリコンバレーと日本を行き来するイノベーションプロバイダー、日本史上最年少国立大学客員教授。
2015年11月に株式会社シリコンバレーベンチャーズを創業。国内外のスタートアップ企業、大企業に経営アドバイス、学術研究都市にオープンイノベーションのアドバイス、大学や高専にてアントレプレナーシップ教育、シリコンバレーの現地アテンドなどサポートを行う。シリコンバレーのベンチャーキャピタルのパートナー、エンジェル投資協会のメンバー、アルケミストアクセラレーターのメンターも務める。
2018年3月シリコンバレーにてStartupFire Inc.を設立し、CEOに就任。世界最大のオンラインインキュベーターを目指す。シリコンバレーでも日本でも「#StartupFire」というスタートアップを支援し、イノベーションを起こす目的のイベントを運営する。
ハーバードビジネススクールPLD(リーダーシップ開発プログラム)修了、スタンフォード大学経営大学院にてM&A、スタンフォード大学の夜間やハス・ビジネススクール(UCバークレー)でベンチャーキャピタル、Yコンビネーターでエンジェル投資を学ぶ。

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