企業の成長を応援する情報メディア りそなCollaborare

Copyright (c) Resona Bank, Limited All Rights Reserved.

社長として成長する

シリコンバレー流スタートアップイベント参加の流儀/イノベーションフォレスト(イノベーションの森)

日本情報マート

2019.05.10

 皆さま、こんにちは。いつも私のりそコラのコラムを読んでくださり、SNSでシェアしていただき、愛りがとうございます(愛+ありがとう)。

 世界一のイノベーションの聖地であるサンフランシスコやシリコンバレーでは、毎日どこかでスタートアップイベントが朝から晩まで開催されています。前回のコラムでご紹介した「Startup Grind」もそのうちの1つですが、この他にもベンチャーキャピタル主催のスタートアップCEOトークやパネルディスカッション、アクセラレーター主催のデモデイ、著名弁護士事務所主催の医療機器イノベーションサミット、スタンフォード大学主催の無料のAIやブロックチェーンの勉強会など、とにかくさまざまなイベントが行われています。

 日本でも各地域でイノベーションを起こそうと、スタートアップ支援イベントやミートアップイベントが行われています。開催が東京都内に集中していることは否めないものの、イベントが盛んになるのはとてもよいことだと思います。

 さて、皆さんもスタートアップイベントに参加する機会があると思いますが、きちんと目的を持っているでしょうか。特に経営者は忙しい中、時間をつくって参加することになるため、“意味のある参加”にしなければなりません。そこで今月は、「シリコンバレー流スタートアップイベントに参加する際の流儀」について、私なりに書かせていただきます。

1 イベント参加前の流儀~選択~

 まず、参加するイベントを決めましょう。皆さんが何を学びたいのか、誰と出会いたいのか、誰(起業家や投資家)の話を聴きたいのか。これによってイベントを選択するのが基本です。

 先月のコラムで紹介したStartup Grindのような世界最大規模のイベントでは、8000人を超える起業家や投資家が世界中から集まります。登壇者のレベルもとても高いイベントです。自ら起業し、ユニコーン企業や大企業に育てた起業家や、今も現役で経営しているCEOなどが何十人もスピーカーとして名を連ねているのです。この事実だけでも、イベントは大いに見応えがあるし、大きな刺激を受けることが分かるでしょう。世界の著名なCEOたちと出会えるチャンスがあるイベントに行くことで、自分の目標を世界レベルで見据えることができます。そして何より、自分のマインドを変えることができるのです。

 また、私もアンバサダーを務めている「Startup World Cup」(ペガサス・テック・ベンチャーズ主催)のようなイベントに参加するのもよいでしょう。Startup World Cupでは、全世界40地域でピッチ大会が開かれ、シリコンバレーで決勝戦を行います。そして、優勝チームには1億円相当の投資があります。会場では、世界で勝ち上がってきたピッチの達人であるCEOのピッチを生で聴けるので、将来の自分と照らし合わせることもできます。投資家の観点からも、世界のスタートアップの動向を理解することができるでしょう。

 構想の段階を終えたシリコンバレーの起業家たちは、自身のスタートアップの実務で学んでおかなければならない重要な法務や財務の知識をイベントから仕入れます。さらに、一緒に事業を大きくしてくれるチームメンバーを見つけるためにイベントに参加する人もいます。とはいえ、イベントで出会った人を、そのときの“ノリ”だけでいきなりチームに入れるのはよくない場合もあるので、そのあたりは臨機応変に対応しなければなりません。

2 イベント参加中の流儀~質問、自己紹介からのアポ取り~

 Startup GrindやStartup World Cupのような大きなイベント、50人から100人規模のミートアップ、30人規模の小さな勉強会など、イベントの規模はさまざまで、それに応じて参加目的も違ってくるでしょう。ここでは、シリコンバレーの起業家がイベントで、どのように振る舞っているかについて言及していきます。

 シリコンバレーでは、イベントの規模の大小を問わず、起業家は登壇者に向かって手を挙げて質問をします。自分が知りたい質問でもあるし、会場の他の参加者のために質問をする人もいます。彼らは、質問をすることで自分の存在意義を示し、イベントの後に他の参加者から声をかけられやすくしているようにさえ見えます。そして何より、質問することで、登壇者に自らが話しかけやすくしているようです。

 また、この点が日本と大きく違うのですが、シリコンバレーでは名刺交換を目的としていない場合が多くあります。連絡先の交換は、「後から『Linkedin』で探して、連絡するよ」くらいで済ませます。そして、相手と自分の時間を大切にする彼らは、その場で、次のアポを取ることもあります。「次回、コーヒーでも飲みながら私のスタートアップについて話したいのだけど、いつがよいですか?」とイベント最後にアポを取り、その場を去っていきます。

3 イベント参加後の流儀~ミーティングのための資料準備、次のステップは「今必要な人脈」の紹介~

 アポが取れたら、家かオフィスに戻り、ミーティングに備えてピッチデック(投資家用のプレゼン資料)を修正します。投資家ではなく、協業のため、CTO候補獲得のため、社員獲得のためのミーティングならば、違う資料を準備するでしょう。

 シリコンバレーでは既にペーパーレスなので、わざわざプリントアウトして資料を持参することはありません。自分のMacBookで、ミーティング中に説明しながら見せます。そしてミーティングの最後に、「今日の資料をメールするね」と伝えるのです。

 こうして関係が出来上がっていくのですが、大切なのは人脈を紹介してもらうことです。「皆さんにとって今一番必要な人脈を紹介したい」と相手に思わせることができたら、ミーティングは100点満点です。シリコンバレーの起業家は、これを期待しているのです。

 皆さんのイベント参加が成功するように、この「シリコンバレー流スタートアップイベント参加の流儀」を役立てていただければ幸いです。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年5月10日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

【電子メールでのお問い合わせ先】 inquiry01@jim.jp

(株式会社日本情報マートが、皆様からのお問い合わせを承ります。なお、株式会社日本情報マートの会社概要は、ウェブサイト http://www.jim.jp/company/をご覧ください)

執筆:森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka
シリコンバレーと日本を繋ぐイノベーションプロバイダー、日本史上最年少国立大学客員教授。
2015年11月に株式会社シリコンバレーベンチャーズを創業。国内外のスタートアップ企業、大企業に経営アドバイス、学術研究都市にオープンイノベーションのアドバイス、大学や高専にてアントレプレナーシップ教育、シリコンバレーの現地アテンドなどサポートを行う。エンジェル投資協会のメンバー、アルケミストアクセラレーターのメンターも務める。
2018年3月シリコンバレーにてStartupFire Inc.を設立し、CEOに就任。世界最大のオンラインインキュベーターを目指す。シリコンバレーでも日本でも「#StartupFire」というスタートアップを支援し、イノベーションを起こす目的のイベントを運営する。
ハーバードビジネススクールPLD(リーダーシップ開発プログラム)修了、スタンフォード大学経営大学院にてM&A、スタンフォード大学の夜間やハス・ビジネススクール(UCバークレー)でベンチャーキャピタル、Yコンビネーターでエンジェル投資を学ぶ。

RECOMMENDATION

オススメの記事