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第8回 ハーバード流(イノベーションを起こすための)モチベーションUP 3つのポイント/イノベーションフォレスト(イノベーションの森)

日本情報マート

2019.06.27

 皆さま、こんにちは。いつも私のりそコラのコラムを読んでくださり、SNSでシェアしていただき、愛りがとうございます(愛+ありがとう)。

 私はこれまで日本全国約20都市にて、【愛】のあるアントレプレナーシップ教育を通してイノベーション創出のために尽力してきました。例えば、各大学や企業、病院にて講演したり、ワークショップを主催してきました。それだけではなく、インキュベーション施設やアクセラレータープログラムを作ったり、シリコンバレー視察ツアーを企画して大学教授、大学生、スタートアップ起業家、中小企業のオーナー社長、大企業の方をお連れしたりしました。

 2016年10月に山口大学で「志 ~イノベーション道場~」を開設、2017年4月に銀座エリアでGlobal Innovator Program(GIP)を開校、2018年7月に英語によるオンラインアクセラレーター「Silicon Valley Dojo」を開始、2018年11月に理化学研究所の中で加速アクセラレーターを開講。そして、2019年1月には「Angel Accelerator」などを開講しました。Angel Acceleratorについては、「日本各地にシリコンバレー流アクセラレーターを作り、地方創生イノベーションを起こすには? Angel Acceleratorの講義内容大公開!」で詳しくご紹介していますので、ぜひ、ご覧ください。

 さて、これら全てのプログラムの中でも、講義の際に、私は生徒の意識を高めるために3つのことについて熱く伝え続けてきました。どのような企業に対しても経営コンサルティングをするときはいつもそうですが、私は常に仕事のときもこれらの3つのことを大切にしています。この3つのことは、全て【P】という文字から始まるのです。今回のコラムでは、この3つのことを中心にお伝えしていきたいと思います。

 この「3つのP」を提唱したのは、ハーバードイノベーション・ラボ(テクノロジー&起業センター)の初代革新教育フェローのトニー・ワグナー博士です。私自身、ハーバードビジネススクールで学んだ後に、ワグナー博士のTEDトーク(2012年)を拝見し、ご著書「未来のイノベーターはどう育つのか」を拝読して、この3つのPが今の日本にとって一番大切なことだと気付き、実際にハーバードイノベーション・ラボにも伺ったことがあります。

 私の講演では、クイズ形式で「イノベーションを起こすために必要なモチベーション。このモチベーションを高めるために必要な3つのPとは何でしょうか?」という具合で質問して、当たるまで、手を挙げて答えていただきます。

 参加する生徒にはどんどん間違っていただきながら、正解したら、全員で拍手をして、みんなの前で褒めることをしています。会場のオーディエンスや生徒たちも、なかなか3つ全てを正解できないので、どんどん手が挙がって白熱して、盛り上がります。

 もうワグナー博士のTEDトークをご覧の方は分かるかもしれませんが、ここで改めて質問します。

皆さんは、3つのPは何だと思いますか?

 ヒントは、「皆さんが子供に『勉強しなさい!』と伝えても、子供はやる気がなかなか出ないとき、どのように勉強してもらえるように話しかけるか」です。

 親が子供に勉強させたいと思う最大の理由は、「将来、良い学校に進学し、良い会社に就職して、良い人生を歩んでほしい」と考えるからです。ですが、その親の想いが強すぎて、子供に、「とにかく勉強しなさい!」と伝えても、子供は、何のためにそこまで勉強しなければいけないのか分からないかもしれません。

 それは、上司が、「売り上げのために働いてください」と部下に伝えても、部下の気持ち(モチベーション)は下がる一方なのと同じことかもしれません。親や上司の伝え方に問題があるというよりは、子供や部下にそもそも自主性がないからではないか、ということは置いておいて、どう伝えれば、人々のモチベーションは上がるのでしょうか?

 相手が子供でも部下でも、失敗させないように、親や上司はかばうことをします。しかし、それでは、真の自信はつきません。真の学びとは、自らチャレンジして、失敗したときにこそ学べるのです。成功したときからではなく、失敗したときに、人はなぜ失敗したかを考えます。

 ワグナー博士は、真の若手のイノベーターたちは、実は内的なものに動機付けされることを発見しました。ここに改めてご紹介しましょう。

ワグナー博士による「ハーバード流イノベーターを育てる3つの鍵」

  • 専門性(知識)
  • クリエーティブな思考力
  • モチベーション

 その中でもワグナー博士は、最も大切なものは3.のモチベーションだとしています。モチベーションには外因性と内因性の2種類がありますが、より大切なのは、内部モチベーションです。

質問. 内部モチベーションが持つ3要素「Pから始まる言葉」とは、何でしょうか?(答えを見ずに考えてください)

 正解は、

【Play「遊び」】

【Passion「情熱」】

【Purpose「目的」】

の3つです。

 『遊び(Play)とは発見を目的とする学習で、子供は遊び(Play)によって情熱(Passion)を注ぐ対象を見つけ、それを追い求めるようになる。それがやがてもっと意義深い目的(Purpose)へ発展していく』(トニー・ワグナー博士)

 実際、日本全国20都市くらいでこの質問をしてまいりましたが、最初のPlay(遊び)を答えられた人はわずか数人しかいませんでした。多くの人は、勉強や仕事のことを楽しい、ワクワクするものと思っていないようです。

 仮に、難しい真面目な仕事だとしても、チャレンジしていることにドキドキして、遊び以上にワクワクする人が増えれば、日本は元気になるのではないでしょうか。実際に私は、1時間の講演では、3つのPについて、詳しくはお話しできませんが、2カ月から4カ月のアクセラレーターなどでは、一つ一つのPに対して、講義内容を変えて、内部的にモチベーションが上がっていくように、生徒たちに寄り添いながら授業を進めています。

 例えば、私の講義では、Play(遊び)の講義の際には、自分が一番ワクワクする夢について考え、ビジネスとしての目標設定から、ビジョン策定を促しています。そして、Passion(情熱)の講義では、シリコンバレーの成り立ちや、スタートアップの経営の仕方、Yコンビネーターが送り出したユニコーン企業についてなどを門下生に伝えることで、Born Globalな発想で、常に世界視野で物事を考える癖を植え付けます。最後に、Purpose(目的)の講義では、起業家に必要なアントレプレナーシップ(起業家精神)だけではなく、経営者にステージアップする上で必要なリーダーシップ教育を行い、ビジョンをどう経営に落とし込んでいくかについても一緒に学びます。

 子育てでも、学校でも、企業でも、イノベーターを育てる上では、「私たち一人一人がイノベーターになることで、良いロールモデルになること」が重要であると、ワグナー博士は言っています。

 教える側がリスクを取ることが大事で、革新の価値や特性を、身をもって示すことが必要です。そのためには、我々一人一人が、3つのPを大切にし、行動することで、社会貢献をすることが重要だと私は信じています。読者の皆さまも、この3つのPであるPlay「遊び」、Passion「情熱」、Purpose「目的」を広めて、日本を、そして世界を一緒に良くしましょう!

 いつも愛りがとうございます。森若幸次郎ことジョンがお届けいたしました。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年6月27日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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執筆:森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka
イノベーションプロバイダー、ファミリービジネス二代目経営者、起業家、講演家、コラムニスト

山口県下関市生まれ。19歳から7年半単身オーストラリア在住後、家業の医療・福祉・介護イノベーションを目指す株式会社モリワカの専務取締役に就任。その後、ハーバードビジネススクールにてリーダーシップとイノベーションを学ぶ。約6年間シリコンバレーと日本を行き来し、株式会社シリコンバレーベンチャーズを創業。近年はNextシリコンバレー(イスラエル、インド、フランスなど)のエコシステムのキープレーヤーとのパートナーシップと英語での高い交渉力を活かし、スタートアップ支援やマッチングを行う。「日本各地でのイノベーション・エコシステムの構築方法」や「どのように海外スタートアップと協業しオープンイノベーションを起こすか」を大企業、銀行、大学などで講演、病院ではリーダーシップセミナーを行う。国内外アクセラレーター支援、スタートアップイベント運営、ピッチ指導(英語・日本語)等も行う。

株式会社シリコンバレーベンチャーズ代表取締役社長 (兼) CEO
株式会社モリワカ専務取締役(兼)CIO
情報経営イノベーション専門職大学 客員教授
Startup GRIND TOKYO コーチャプター ディレクター

著書「ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?」

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