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【後編】第4回 株式会社ウィズグループ(Wiz.Group) 代表取締役 奥田浩美氏/森若幸次郎(John Kojiro Moriwaka)氏によるイノベーションフィロソフィー

日本情報マート

2019.09.02

かつてナポレオン・ヒルは、偉大な多くの成功者たちにインタビューすることで、成功哲学を築き、世の中に広められました。私Johnも、経営者やイノベーター支援者などとの対談を通じて、ビジョンや戦略、成功だけではなく、失敗から再チャレンジに挑んだマインドを聞き出し、「イノベーション哲学」を体系化し、皆さまのお役に立ちたいと思います。

第4回に登場していただきましたのは、IT関連のカンファレンスやイベントなどのプロデューサーとして国内外で幅広く活躍されている著名人、起業家でもある株式会社ウィズグループ(Wiz.Group)代表取締役、奥田浩美氏(以下インタビューでは「奥田」)です。前後編に分けてお送りします。今回は後編です。前編はこちらからご確認ください!

6 「私はとにかくクロスという言葉が好きです。この時期のこの時代、この人、この場所で絶対クロスする瞬間というのが、どんな時代にもあると思っています」(奥田)

John

浩美さんは、日本に学会のような日本式イベントしかなかった時代にカンファレンスなどをプロデュースされています。どのように多くの方々を楽しく巻き込まれて、成功に導いてこられたのでしょうか?

奥田

私はアメリカのカンファレンスをものすごくリスペクトしていて、彼らのやってきたことを取捨選択したに過ぎないといいますか、変化させたということです。つまり、アメリカで「ウケる部分」と「日本ならではの部分」をうまくアレンジしたので、ある意味それは、1つのプロデュースだと思います。例えばアメリカの場合、感動するような舞台と言えば、例えば1960年代くらいのチャールズ・イームズ氏(アメリカのデザイナー)です。彼は、展示会のカンファレンスプロデューサーだったのです。

彼がデザインしたのは、例えば、椅子です。チャールズ・イームズ氏は、家具などの天才デザイナーと呼ばれている、近代家具の父みたいな人です。そうした人が、商業カンファレンスのようなところのプロデュースとして存在していたのです。その一方、日本は、商業カンファレンスというものはなく、先ほどJohnさんがおっしゃった通り、あるのは学会や展示会。それも、同じ画一的なブースを使います。そこにデザインというものがないのです。私はその時に、場所というものの「空気」は、デザインできるものだということに気付きました。例えば、今ここ(私の自宅)にいると、皆さんは私にデザインされた私の空気の中にいるわけですよね(笑)。しかし、今まで日本には、空気をデザインするイベントプランナーなどは、あまりいなかったのではないでしょうか。

例えば、オペラに行くことを想像してみてください。私たちは、(会場に)入った瞬間から、オペラを楽しみますよね。むしろ、行く前から、「オペラを楽しみに行くんだ」と思っていて、いざオペラの会場に入ってみると、建物から何から、全てデザインされています。それに対して、イベント会場は、どのような用途にでも使えるようになっています。広告代理店や、「なんでもやれる人」がその場をつくっているわけです。でも、オペラは違います。オペラは、オペラをつくる人が、オペラ用に場所があってやっている。そういうことに対して、私はとても悔しかったのです。アメリカに行くと、カンファレンス用の場所が、カンファレンス用につくられている。それにふさわしい「場所」と「空気」というものに、非常にこだわっているのです。それを見て、私も「空気を売る人になりたい」と思っていました。

John

すごく面白いですね! 浩美さんは、どういった空気をつくられたのですか?

奥田

わくわくすることだけ、というような(笑)。

John

なるほど~(笑)! 人がわくわくする空間は、どのようにつくるのですか?

奥田

いろいろな人のパッションや、ミッションを持った思いのようなものが交差、つまりクロスするようにします。私は、とにかくクロスという言葉が好きです。この時期のこの時代、この人、この場所で絶対クロスする瞬間というのが、どんな時代にもあると思っています。そのため、とても場所にこだわりますし、人にも、時代にもこだわっています。例えば、1000年前であれば、水道というものに対してカンファレンスができたと思いますが、今、「水道展」を開催しても、私たちはたぶん、わくわくしないですよね(笑)。しかし、おそらく500年前や1000年前には、水というものがひねれば出てくるわけではなかったので、「汲まなくても好きな時に水が出せる」ということに対して、世界中の人が集まってわくわくしたと思うのです。

それは、1990年代でいえば、インターネットのハブやルーターなど、どちらかというと物理的な側ですよね。具体的に言うと、例えば、インターロップ(Interop Tokyo、インターネットテクノロジーイベント)なのですよ。その時期(1990年代)に、そういうものをやりたかった。でもその当時は、きっとインターロップのようなものは後々、おもしろいイベントではなくなるだろうとも思っていました。なぜなら、今はあるのが当たり前で、インターネットという言葉を聞いただけでわくわくする人は、いないですよね(笑)。

John

実は私は、結構冷めているところもあって、人が楽しいと言っているようなところはあまりわくわくしません。言い方は良くないかもしれませんが、「ここに行ったら楽しいですよ」と多くの人に言われているような場所にはあまり行きたくなくて、自分でつくりたいのです。

奥田

分かります。私もです。皆が「ここに行ったら楽しいですよ」という「安心感のある」場所は、クロスするポイントが初めて生まれる場所ではないと思っています。

John

そうですよね。知られていない名店、例えば、誰も知らないようなパン屋さんに行ってみたら、とても美味しかったり、2畳ぐらいの広さしかなくお客さんが6人程度で満席になったりするなど、そういう面白くて誰も知らないところを、自分で発見した時のほうがわくわくします。

しかし、浩美さんは、皆が「ここに行ったら楽しいですよ」というような空間をつくることもできるということですよね?

奥田

確かにそうした空間をつくるのも得意ですが、持続させるのが苦手です(笑)。

John

それは、飽きてしまうからですか?

奥田

飽きます。飽きますが、商業的な視点で考えて、まだわくわくする人がいると思うと、人に渡します。

John

その、渡す「次の人」をどのようにして見つけられているのでしょうか? 一緒にやっていた人の中で見つけるのですか?

奥田

「次に残るもの」というのは、とてもお金を生み出します。ビジネスでプロデュースする時、私には、コインがチャリーンという音を立てるのが聞こえます。「最初にお金が生まれました」という感じです。私は、そのチャリーンという音を一番聞きたいのです。今までずっと皆が研究していなかったり、皆がフォーカスしていなかったりするもの、しかし、それがクロスして、そこにチャリーンという音がしたら、私はとても満足です。そこから先は札束がバサバサ入ってくるので、皆がやって来ます。ですから、次(にそれを続ける人)を見つける心配はいらないのです。皆が来るから、「どうぞ」と言って渡せば、皆、喜んでくれますし、流行りますし、お金もできますし。「一石なん鳥!?」ということになります(笑)。

John

なるほど、そういうことですよね! どのようにイベントやプログラムなどの値段を決めていくのでしょうか?

奥田

一応、業界的な標準となるものを自分で決めています。一番最初は時代が時代でしたので、1日当たりで5万円、10万円という形で基準をつくっていましたが、それは途中でやめました。その辺りを基準にしても、短い時間でいいものをつくった時に、安くなってしまいますよね(笑)。その点に疑問を覚えるのが、私は早かったのです。「ひらめき」に対しての価格の低さ……そこがイノベーティブではない日本の社会、ということなのでしょうね。「ひらめいて、短い時間でつくって、皆は理解できないけれど、2年後にいいもの」は、ほとんど値がつきませんので(笑)。

7 「インドに出て、『自分のいる場所と自分の周りの人で4億人』という状態になった時に初めて、とても居心地が良かった」(奥田)

John

今回の対談記事は、様々な立場の方が読んでくださると思いますので、お聞きしたいのですが。就職や起業ということが「語られすぎている日本」ということに対しても、私は、不思議に思っています。就職してから起業してもいいし、起業してから就職してもいいし、同時進行でもいいと思うのですが、とにかく最近、日本では、そうした起業論がとても多いような気がします。

「人を幸せにしたい」あるいは、「自分の趣味がたまたま続いている」ということで起業したのであればいいのですが、最近は、「最初から、とにかくなんでもいいから起業することを考えている」「1年以内に起業する」というような人が多いのです。何が日本を変えてしまったのでしょうか。「スポーツをやりたい」ということと同じような感覚で「起業したい」「スタートアップをやりたい」というのは、どういうことなのでしょうかね。オープンイノベーションもそうです。日本では、ここ2年くらいで起業やオープンイノベーションが流行り出しました。これについて、どう思われますか?

奥田

お金だけに向き合っていると、それをできるだけ長く持続させて札束を生み出そうということになるので、オープンイノベーションも、ある意味、それにつぶされてしまったのではないでしょうか。つまり「オープンイノベーション」というパッケージをつくって、「あの会社もやってますけど、どうですか?」という感じでやってしまった。たくさんやったほうが、お金になりますから。

しかし、私は、もっと、時代も場所も人も俯瞰して見るということをすべきだと思います。日本人はそうした俯瞰する目を養っていないので、右と左しか見ていないのです。「右がやる、左がやる、それじゃあ自分もやらなきゃならない」「右が勉強している、左が勉強している。じゃあ自分も大学に行かなきゃいけない」。就職もしかりです。そういうところがあると思います。

スタートアップもエコシステムがとても小さいので、その周囲にいる人が、「あの人も起業、3億円でexit」「この人も起業、2億円でexit」ということで、「それじゃあ3億円でexitするくらいで俺も起業したい」というふうになってしまいます。ここ4、5年は、30億円exitが続きましたよね。その30億円でexitした人たちが今、とても悩んでいるわけです。「ゲームの会社つくりました、メディアもウェブも立ち上げてみました、売りました。だけど、私って社会を何か変えたんだっけ?」というように。

John

なるほど、立ち返ってくるということですね。

奥田

立ち返ってきますね。右を見て、左を見て、「皆が」と思ってしまうのですよね。それは、「皆がテレビゲーム持ってるんだよ」と言っている小学生と変わらないじゃないですか。「皆がオープンイノベーションをやっている」の「皆」が、狭い中の右と左しか見ていないから、おかしいわけですよね。

そこで、やはり教育なのだと思います。私は、教育は、もっと上から俯瞰して見られる、あるいは寝転がって見られるという風にすれば良いと考えています。学校の姿にも物理的に表れていますよね。同じテーブルの同じ目の高さから、ずーっと先生を見る教育は、おかしいのではないかと思います。寝転がったり、飛び上がったり、さまざまな角度から、さまざまな人と、いろいろなものを見るということが大切です。たかが教室、されど教室なのですよ。

同じ方向しか見ないのには、違和感があります。仮に、その中で動き回る子がいると、矯正しようとするじゃないですか。本当は矯正する必要はありませんよね。そういう子は、そういう子に合う場所を与えればいいと思います。それは、「それができない」と評価するのではなく、「その子は何が楽しいのか」ということに向き合うということです。40人に1人ぐらいは、そういう子はいます。

私も小学校時代、1クラス40人の中で、全く居心地が良くなかったのです。高校生になって、1学年400人になっても、全然駄目でした。それが、インドに出て、「自分のいる場所と自分の周りの人で4億人」という状態になった時に初めて、とても居心地が良かった。このように、自分の好きなボリュームゾーンがどこかということを、皆、見極めなければならないのではないでしょうか。もしかしたら、2人という環境がとても好きな子は、2人で行う学習手段がいいでしょう。つまり、マンツーマンです。40人がいいと思えば教室がいいでしょうし、40人がきついのであれば、もっと何億人のところを回れるというような。

私は、今、自分がとても居心地が良い環境を自覚しているので、だからこそ会社の中にいられないのです(笑)。うち(の会社)は小さくて、10数人。それは私にとってさらに気持ち悪いし、いくら規模の大きい会社でも、1つの部署は20人~40人くらいですよね。私は40人だとダメなのです(笑)。

8 「やはり愛です。私は、『愛りがとう(愛+ありがとう)』を、もう17年使っています」(John)

John

対談を読んでくださっている方は、ほとんどの方が会社に行って仕事をしていると思いますので、会社における環境づくりや見せ方など、何かアドバイスはありますか?

奥田

離れていても伝わるような思いを持った上司でなければ、良い環境づくりはできないので、だから、なかなか実現できていないのではないかと思います。

John

確かに、ビジョンを語る社長も少ないですし、言葉では「ビジョン、ミッション、バリュー」と言ったり書いたりしますが、その本人がしっかり思っていないこともあります。こうしたことについては、どのように思われますか?

私が言いたいのは、表現の仕方が良くないかもしれませんが、日本社会はうわべだけのことが多いのではないかということです。「うわべだけのオープンイノベーション」や、「うわべだけのビジョン」など。いったい日本はどこに向かっているのだろうか、何を見失っているのだろうかと思います。昔からそうなのかもしれませんが、日本はグループの中に入っておくのが安心と考える人が多いような気がします。

今からでも日本社会を変えられそうな、より幸せなあり方や考え方などは、あるのでしょうか?

奥田

日本人というのは、とても人間的な人がたくさんいる環境ですので、私は日本が悪いとは全く思ってはいません。しかし、日本では必ず、「自分と他」で考えて、「他のいない自分」について考える環境がないなとは思います。「どのような人が周りにいようが、私は私でやりたいことがあり、私は私で意味がある」というようなことを、私はとても思っています。おそらく、私がいるだけで、空気がわくわくするということもあると思います。しかし、日本では、「私」を消さなければならないと思っている人が多くて、私のように考える人はあまりいないのかもしれません。

ただし、それは、皆が皆、「自分に対して自信満々になれ」ということではありません。生まれてきたからには、必ずその人には、何らかの役目も、良さもあるということです。例えば、私は、ここにいるだけで、単語で言うと「愛」や「希望」や「未来」というような存在でありたいと思っているので、それが皆に伝わる行動をしています。伝わる仕事だけを選んでいます。伝わるような家族をつくっています。伝わるような社会への発信をしています。たった3つの単語「愛」「希望」「未来」だけ。ただ、最近は「未来」だけは消しているのですよね。「未来」については、あえてしゃべらなくても、「今」が続くわけなので。ですから、「愛と希望」。アンパンマンですよね(笑)。

ですので、皆それぞれ、「私はナントカの権化です」ぐらいのことを、小さい時に教えてあげるのではなく、見出していけばいいのだと思います。Johnさんの場合は、どのようなものだと思われますか?

John

私も、やはり愛です。私は、「愛りがとう(愛+ありがとう)」という言葉を、もう17年使っています。そうすると、「愛りがとう」とメールで返してくださる方も多かったりしますので、やはり言葉で言い続けるべきだと思っています。

私は、日本ではよく勘違いされることも多いようですが、お会いしていただけると、「本当に愛がある人間だな」と思っていただけるようです。時間と約束を守ることだけは徹底して、相手に好きになってもらうよりも、「自分がまず相手を愛す」ことが大切だと思っています。相手に対して、「何かいいところないかな」と思っています。やはり愛ですね。

奥田

なるほど、分かります。「愛と希望」という2つのセットは、自分の中でおそらく24時間、考えなくてもずっと何かに壁打ちしているのだと思います。例えば、人から「1億円の事業なんですけど、どうですか」と言われた時に、そこに、人類としての愛や希望がなければ、私は多分、100パーセントお断りします。人付き合いに関しても、この人を通して愛や希望が拡散されていきそうだと思える人とは付き合うようにしています。(相手が)いくら地位が高かったり、いくらお金を持っていたりしても、私の2つの言葉「愛と希望」にフィットしないと、私の中では「違う」と思ってしまいます。お金になろうがなるまいが、その2つの単語が常にあります。

私の周りの人にも、皆それぞれの魅力があります。例えば、ものすごい好奇心の塊のような人や、非常に美意識が高い人、あるいはものすごく誠意のある人など、それぞれの良さがあります。はっきり言えば、その良さ1つだけでは生きていけませんが、その「核心」があれば、(他の「核心」の人と)セットになることの意味が見えてきます。

例えば、うちの夫は、ものすごく誠意がある人です。そうなると、夫と私が2人でいる意味が出てくるのですよね。良い単語がたくさん集まった袋をつくったような感じだと思います。この、私の「愛」と「希望」や「勇気」みたいなもの……いえ、私は自分の心にある単語は、「勇気」ではないのですよね。結果的に勇気ある行動はしていると思いますが、自分の根源にはやはり「希望」があるから勇気を見せなければならない! と思っています。根底は「勇気」ではないのだと思います。「愛」から「希望」に行くために、少し腰が重かったりしても、「勇気」を振り絞ろうと思うのですが、ときどき見境なく「勇気」だけ出す時があります(笑)。

私は、例えば、「根拠もなく『勇気』だけある人」がペアになると、「愛と勇気と希望」になります。そこに「誠意」もあると、さらによくなるのです。「愛と希望」の間には、やはり「誠意」がないと伝わらないと思うと、そこに誠意を入れたくなったりします。だから、自分に必要な「誠意」という、「いい感覚」を入れていくイメージです。

John

なるほど~~! とても面白い考え方ですね! 浩美さんは、会社のチームで、「仕事をやるチーム」「イベントを成功させるチーム」といった視点で見る時に、メンバー一人ひとりの「言葉」「単語」「核心となっている感覚」といったものが見えるのでしょうか?

奥田

はい、全部見えます。一人ひとりの、なんといいますか、「玉」のようなものが見える感じです。おそらく、私と1カ月くらい一緒にプロジェクトをすると、私はその人の核心みたいなものが分かるので、「あ、(この人は)勇気ちゃん」みたいな感じになると思います(笑)。

John

すごいですね~! 例えば、「勇気」というカラーを持っている人は営業職ということになりますか?

奥田

そうとは限りません。「勇気」の人が、仮にそそっかしくて失敗をしても、「この人の良さは勇気だから、そそっかしさによる失敗は当然の副産物である。むしろ、それがないと勇気が出せないから、それでいいや」と思います(笑)。

奥田氏との対談の様子を示した画像です

9 「『12人ぐらい』という規模であれば、一人ひとりが『自分だけ』にフォーカスしてくれていい」(奥田)

John

今お話に出てきた「勇気」や「希望」「愛」といった、その人の「核心」によって、向いている職種も見えたりするのでしょうか?

奥田

見えます。例えば、「信頼」の人がいます。AIでなければこなしきれない種類の事務的な仕事を、全部普通に片付けていくようなすごい人です。集中して、誠意をもって信頼される仕事をしたい人なので、外を飛び回っていることは好きではないし、おそらく無理なのですよね。ですから私は、その人はその人で、営業に出る必要はないと思っています。

しかし、なぜか日本の会社は、「信頼」という確信は好きでも、「一応、営業経験してみようよ」ということで、そこをクリアできないと上に行けませんというようなことを、無理にしている気がします。

John

そういう方法は、良くないと思いますか?

奥田

それで変わる人もいるので否定はしませんが、私は、究極の人間の本質を活かす仕事は、無理にチャレンジして生まれるものではないと思っています。人間には、本質的に変わらないものがあるのではないでしょうか。

John

私が思うのは、職種でいうと、例えば事務の人と営業の人がいるとして、お互いが連携すると会社のアドバンテージが強くなると思います。事務の人が営業のお手伝いということで配達をすれば、営業の人の気持ちが分かるし、営業の人にも事務のことをしてもらったりすれば、事務の人の気持ちが分かります。そうして、お互いの気持ちが分かるようにすることが大切なのではないでしょうか。

奥田

なるほど。それは、そうしたことをお互いにさせることによって、その人が「もともとの自分の良さ」に気付くという意味で、良いことなのではないでしょうか。

John

私の場合、そこ(自分の良さに気付くこと)ではなくて、「相手の辛さ」を知ることが目的なのです。例えば、少し極端ですが、事務の人が営業の人の代わりに病院に重い機械を持って行き、納期に遅れてお客さまに事務の人が怒られてしまう、というような。そうすれば事務の人は、こうしたことがあってはいけない、営業の人は大変だと実感しますので、日頃から早く手続きを進めるようになったり、営業の人を笑顔で送り出すようになったりします。「自分が」ではなくて、「相手に」優しい言葉をかけることができる自分になるために、事務の人が営業に出る機会をつくったりしています。

奥田

そういう意味で言えば、うち(の会社)の場合は逆に、「自分だけにフォーカス」ということでいいと思っています。ただ、私のこうしたやり方が正しいというわけでは全くありません。私は「12人ぐらい」という規模を決めていますので、その規模であれば、一人ひとりが「自分だけ」にフォーカスしてくれていいのです。ましてや、その素質(核心)を選んでチームにしているのは私ですので、その規模であれば、皆が皆、「自分だけ」に特化しても大丈夫な組み合わせにしています。

John

ああ~なるほど。それは確かに、いいですね。分かります。私は、自分でもアクセラレーターをつくったりしていますが、別にスタートアップの人だけを応援しているわけではありません。例えば大学生で学校に満足できない人や、日本で言う一流企業に勤めている人たちも参加してくださり、楽しそうにしてくださっています。

僭越ながら、私が浩美さんのことを「すごいな」と思って、勝手にですが「先輩!」と思っているのが、浩美さんの周りに集まってくる方々も、さまざまな方がいらっしゃるということなのです。スタートアップの方も、そうでない方も。「スタートアップの方はこうして応援してあげよう」「社会事業家の人はこう応援してあげよう」というように、分けているのでしょうか?

奥田

全然分けていませんよ。スタートアップというのは、人から資本を預かり、短期的にスケールさせて資本を回すという、そのゲームの1つの材料がお金だったり仕事だったりというだけです。やりたいことを、最後まで自分のカラー(核心)を出して社会に浸透させていくという意味では、どの人も、全部、皆一緒です。そのことを私は、「会社を辞めないという選択」という本に書いていますが、人は皆、自分のカラーを持ち、それを、会社を通してうまく社会に流していくのであれば会社員でいいし、そこにうまくあてはまる会社がなければ自分でつくればいい。お金が今すぐに見えなければ、社会起業のようなくくりをつくって、寄付で回せばいい。このような感じですので、私の中では、あまり「起業家」というくくりとしては、分けていないのです。

10 「どこに生まれても、どのようなものを信じていても行ける『1つの英知』をつくりたい」(奥田)

John

浩美さんご自身のことは、どのようにとらえていらっしゃるのでしょうか?

奥田

私自身は結果的に4回起業していますので、「起業家ですか」と言われると、そうに違いないとは思うのです。ただ、まだ自分がやりたいことの集大成は社会に出していなくて、おそらくこれからが一番おもしろいと思っているのですが、それが「起業家」という名前でもない気がしているのですよね。「人々を幸せな方向に」というと、今までは宗教などしかありませんでしたが、宗教でもスピリチュアルでもコーチングでもなんでもないもの。「そこ」を今、探しています。

John

それ、本当によく分かります! 私も、そうしたことを考えていて、今回の対談記事タイトルも、「イノベーションの哲学」「イノベーションフィロソフィー」で、自分自身はイノベーションフィロソファーや、イノベーションプロバイダーと「勝手に」名乗っています。

奥田

私はしょっちゅう、「あなた宗教つくりませんか」と人から言われます。確かに宗教はつくれる気がしますが、私がやりたいことは、「宗教」という名前を冠したものではなく、もっともう少し、どこに生まれても、どのようなものを信じていても行ける「1つの英知」をつくりたいのですよねぇ。

John

「カルチャー」といいますか、intellectualな部分とemotionalな部分が合わさったものではないでしょうか。

奥田

私の中では、「起業家」というものが、自分の心を動かすのに、ある意味一番簡単です。なぜなら、既にできあがった1つのモデルがあり、「こういうふうになれば、起業家で成功だね」というルートがあるからです。まず自分が考えたものを表に出す、そしてそこに対して投資が来る、そこに対してお金がやってきて、社会が動くという、型にはめている感じがするのですよね。起業は。しかし、型にはめたルートではない、「あなたが生まれてきたものを社会に流す方法」が、起業でも社会起業でもなんでもない、何かもう1つある気がしているのです。

John

新しい文化革命、カルチャークリエーターのようなイメージですよね。

奥田

決して学歴でもなく、あるいは置かれている状況や環境でもなく、性別でもなく、「あなたが生まれてきてここの中にあるものの良さ」を、「もっと社会を動かすために使ってみませんか」と言った時に、どのような枠をつくって、枠というか……とにかく、どのようにして、何を使ってサラッと出すのがいいのだろうかということを、今、考えています。

John

よく分かります。私もそうしたことに、ちょうど直面しています。分かりやすいので、「起業」なのです。

奥田

そうです。私の中では、一番世の中に認めてもらいやすくて、簡単なのが「起業」だったのです。

John

「私が本当に目指してること」は、愛を広め、離婚を減らすことだったりします。離婚を減らすことと、出生率を上げることは、愛を叫び、一人ひとりが仲良くなっていただければ可能だと信じてます。今は、「起業」や「兼業」がかなり注目されていて、人々がゆっくりする時間が家庭の中にないという状況もあるのではないでしょうか。家族や夫婦で、自宅で一緒にご飯をつくるような時間をつくれば、家族が皆、仲良くなりますよ。離職率も減ると思います。そういった時間の余裕、心の余裕というのは、実は自分がつくっている、自分がつくるものなのですよね。しかし、ほとんどの人は、「起業」などに振り回されているので、そこに気付かないのかもしれません。

奥田

もはや、私はだんだん、もう体がなくてもいい気がしてきています(笑)。体が動く、動かないということに関係がなく、幸せを発信できるといいますか、会社は多分動くと思っています。しかし、言葉かオーラは出したいです。

John

浩美さん、すごく面白いことおっしゃいますね!

奥田氏との対談の様子を示した画像です

11 「日本が好きだから、大切だから、だからこそ海外に行く」(John)

John

表現を選ばずに言いますが、私は、「シリコンバレーに自分自身が洗脳されている」ような感覚がありました。シリコンバレーを意識しすぎてるというか。イノベーションを起こすために、デザイン思考などを勉強をしているうちに、「シリコンバレー流だけではなく、ほかの地域でイノベーションを起こしてるところも見てみたい」と思うようになったのです。デンマークでは、障害者の方々が働く福祉施設やデザインコンサルファームを訪れました。去年は特に、多くの国へ行きました。イスラエル、フィンランド、エストニア、中国の上海、フランスなど。今年は、シリコンバレーをはじめ、マレーシア、フランス、ルクセンブルク。それらの国々を見て思いましたが、各地域のイノベーションエコシステムの中に行きますから、世界中のどこへ行っても結局はシリコンバレー流なのですよね(笑)。

奥田

そう、それはとても分かります。それで言うと、私は、(今いる)ここから300メートル動くほうが、私がシリコンバレーやエストニアに行くよりも遠い気がします。300メートル先にある、例えば行ったことのない施設のほうが遠い。シリコンバレーに行き、「Hi Hiromi !」と言ってお互い話をして、「分かる、分かる」「Hi yes yes」となるほうが、私からしたら本当に距離が近い。しかし、例えば鹿児島の限界集落は私から遠いのです。

John

それもよく分かります! カルチャーの違いがどれくらいあるかということだと思います。私も、世界各国を見ているうちに、全く喜べない自分に出くわしてきました。エコシステムの中にいると、歓迎され始めたり、喋らせていただいたりします。そうして人が寄って来てくださった瞬間、「これはパリでもシリコンバレーの真似になってしまっている」と思いました。「これじゃないんだよな。ここが人類の幸せではなかったりするのでは」という風に思いました。

奥田

なるほど、その話について言えば、私は自分に対して、10年くらい前から「端と端」という言葉を意識をしています。例えば、先週インドに行きました。自分の振れ幅で、「インドから見て一番端っこ」というところはどこかというと、一見刺激がなさそうな鹿児島なので、次は鹿児島に帰ろうかという感じです。実際に、そこ(鹿児島)に行くと、今度はここから一番遠いとこはどこだろうと思うと、シリコンバレーかなと。そしてシリコンバレーに行きます。要は、「端と端」というのは、違いが大きいところ、振れ幅が一番大きいところ、そこに足を踏み込んで行くことです。実際の物理的な距離の問題ではありません。シリコンバレーは、本当に今、東京ととても近いのです。そうなると、シリコンバレーからの「端」とは、どこなのだろうなぁと、ずっとずっと考えています。

John

それはよく分かります。そして、どこへ行っても同じでは、行った気がしないですよね。

奥田

自分が「イノベーティブ」という言葉を語れる人種の中にいるというのは、結局、全く変わっていないわけです。しかし、例えば、私が自分の田舎に行って、実家などで「イノベーティブ」という言葉をしゃべると、周りからは「んっ? 何?」となります。こういうところで、自分がどう動いていくのかということが大切なのではないかと思います。

今の私たちは、「毎日が本当に刺激的な日にしなければならない」というように、皆、感じていますが、それは本当に良いことなのでしょうか。いわゆる「田舎」で活動していて思うのは、昔は「ハレの日」と「ケの日」があり、年間340日ぐらいは、もう何も楽しくない、何にもない日だったわけです。わずか100年前は、年間340日ぐらいは、いつお金が入ってくるか分からないような状況で、皆、人の土地を耕していたのですよね。そうした状況から逃げる気持ちを発散するために「祭り」があったり、お正月があったりしました。だからこそ、あのころの祭りは、本当に楽しかっただろうなと思います。

それが今、こうしたSNSの時代になり、毎日楽しいことや刺激的なことをしなければ、自分が耐えられない。昔の人は、毎日「辛い辛い辛い」と言っていて、時々、パーッと楽しかった。しかし、今の日本人は、楽しいことが少し下がっただけで、「これはどうにかしなければならない」と皆、大げさに悩んだりします(笑)。でも、私は、「いつも何もないゼロの状態が340日なのだ」ということが、分かる場所に行きたいと思っています。何も日々変わらない、何も日々特別なこともない。「ここでは、おばあちゃんにとって何が楽しいですか? 何にも変わらないし、毎日面白いこともないし」という状況の幸せみたいなものを感じることができる場所ですよね。現代人が行ったとしてもつまらないのかもしれませんが、「なぜつまらないか」を考える必要があるのだろうと思います。

John

なるほど! この間マレーシアに行った時には、時間とお金の使い方を相当考えました。

どこかに行くことも大事ですし、行かなくても、気持ち的にはできる時もありますよね。

奥田

あります。だからこそ、1人で自分の心と向き合う時間が一番大切だと思っていて、それがつくれないので、働き方改革が必要なのだと思います。そこ(働き方改革が必要な理由)が分からないまま、(労働)時間を8時間にして、早く会社を出て会社の仲間と乾杯をしていても、結局、社会は変わらないのではないでしょうか? それであれば、できた時間は、「私は何者なんだろう」「私にはどのようないいところがあるのだろう」「家族とはなんだろう」「家族では、どういうことができるのだろう」「家族で社会をどう変えられるのだろうか」ということに使うべきだと思います。

John

私も、3世代で働ける会社にしようと言っています。これは、自分の子供も、孫も、働きたくなるような会社をいっぱいつくろうという意味です。ある1つの家族だけという意味ではなく、「皆のファミリー」という意味で、「ファミリー企業」と呼んでいますし、そう会社をたくさんつくりたいという気持ちがあります。

奥田

私は、ファミリー企業の違う形がこれから生まれてくるかもしれないとは思います。昔は家業があって、その家業を守るために「ファミリー」でしたが、これからは、ファミリーがいて、このファミリーをどう生かすかを考えて事業がつくれるのではないかと思っています。

John

新しい「ファミリー企業」ですよね。

奥田

それが一番戦力になると思いますし、そこが日本と海外の大きな差ではないでしょうか。海外の企業を見ていると、「この人はこれが得意だから、この人に全権を預けて、この人を活かすために事業、場所を選ぶ」というところがありますが、そういうのは日本では少ないですよね。日本の企業の場合、職業や職種の中に人を当ててしまうのではないでしょうか。

John

私は、この日本を立て直すためには、まず自分が世界をめぐり、世界をより良くするイノベーターを生み出せるくらいの教育者になりたいです。もっと日本人一人ひとりが、GDPといったものだけではなく、「幸せだな」「この国が好き」「うちの家族が一番!」と思えるようにしたいです。学校にしても、「うちの学校が好き」と思える子供がたくさん育つ国にしたいと、本当に思っています。私はとにかく、日本が好きすぎて、だからこそ海外に行くというイメージです。修行のために(笑)。

奥田

私はやはり、新しいものが生まれて、「ぽこっと泡になる瞬間」を見たいので、(世界中を)飛び回っています。

奥田氏との対談の様子を示した画像です

12 「『愛と希望』というものを、時代に合わせて最適化する必要がある」(奥田)

John

この対談を終わりにするのが非常に惜しいのですが、最後の質問です。浩美さんにとって「イノベーションの哲学」とは何でしょうか?

奥田

結局、今までお伝えしてきたことと同じになりますが、「愛」なのですよね。「愛と希望」というものを、時代に合わせて最適化する必要があると思っていますので、その「最適化」というところのクロスの点が、イノベーションなのではないでしょうか。そして、クロスの点は、時代背景によっても変わっていくものだと思います。

日本では、イノベーションというと技術を伴っているように思われていますが、そうとは限りません。最初が技術的な変化しかなかったために、そうした認識になっているだけです。今後、イノベーションは、技術に関係なく、精神的な部分で起きていくでしょう。そうなると、イノベーションというものは、「愛と希望の社会の最適化」をきちんと生み出せた人や、生み出す現象を指すのではないでしょうか。しかし、今お伝えしたようなことを、まだ今の日本の社会で言っても、多くの人からは「なんか、よく分からない」と言われてしまう発言だと思います。

John

スキルとマインドのどちらが大事かと言えば、私は、やはりマインドの部分だと思っています。

奥田

そうですね。あとは、先ほどの「水道の話」のように、技術というものは目に見えるので、人は皆、そこをもてはやしているのだと思います。そのうち、技術というものが見えにくいものになって、当たり前になった時に、「マインド」という部分が浮き上がってくるのではないでしょうか。

John

今までの日本は確かに技術(ハード)に頼ってきましたが、今後はソフト面のパワーや、「おもてなし」などそうしたものが大切になってくると思います。日本人は、プロフェッショナルな「おもてなし」はできるようになったかもしれませんが、英語ではまだまだできていないし、やるべきことや課題はたくさんあるでしょう。

東京五輪もそうですし、大阪万博でも、海外の人がたくさん日本に訪れます。ただの経済効果を求めるだけではなくて、もっと海外を視察して、海外の人に何回もリピートしてもらえるようなものにしなければなりません。東京五輪を利用すれば、後々、日本がしっかりと継続的に世界中を巻き込んでいくことができるものを完成させられると思うのです。

1つ、改めてお聞きしたいのですが、浩美さんは2004年か2005年頃、エコシステムビルダーをやっておられたと思います。当時は「エコシステム」と言っていたのでしょうか? やはりシリコンバレーから見られていたのですか?

奥田

はい、言っていました。「シリコンバレーのエコシステム」というのは、昔から名前がありましたよね。そして日本社会にエコシステムがないということも、言われていました。私はエコシステムを見ていましたので、あるのが分かっていましたし、そのためのプロフェッショナルが必要なのだということも学びました。

それから、話が少し戻りますが、先ほどJohnさんがおっしゃっていた「これから先のおもてなし」ということについてです。今、日本の「おもてなし」というものが、あまりに規格化されすぎて、「おもてなし」が、まるで工業製品のように私は感じています。海外を旅すると感じることですが、海外では、一人ひとりを見てくれるのです。それは、一人ひとりのニーズが違うからです。日本は面として見ていて、「こう来たらお茶を出して、この時間にサーブをする」というような。そして一緒のもの、たくさんのものを並べて「おもてなし」と言いますが、世界は、そうではない風になっていますから。

John

本当にそうですよね。よく分かります。

奥田

それから、イノベーションの話に戻りますが、プロダクトアウトするには、一人ひとりのニーズを見ないと難しい時期が来ていると思います。昔のように、同じものをつくって同じ時期に出せば売れるというわけではありません。そこが、日本が弱くなった理由かなと思います。昔は自動車を出す時期には、世界中の人が同じ時期に同じ自動車が欲しかったのです。しかし、今は、全てが違います。日本を中心に考えて、「同じものです。どうだ世界」というのは、もう無理だと思います。「この国はこう」「この国は何が欲しい」というように、その共通項を区分して見分けた上で共通項を見る、というところで、日本は負けているのだと思います。

John

やはり、世界をたくさん見ることが大切ですね! 日本人でも2カ国、3カ国に同時に住むような時代が来ますか?

奥田

そうならなければだめですね。今、この10年は、日本は、鎖国で守られているのかなという気がします。日本語が、日本を守っているのだと思います。

John

意外に英語ができないからこそ、守っているのですよね。

奥田

日本が今、全員が英語をしゃべれていたら、海外から人がたくさんやって来ていますよ、外国人が。インド人が来ますよ。優秀ですからね(笑)。

John

そして、上司が全部外国人になるかもしれないですね。意外に、英語ができないほうが、この国を守れているのでしょうか。

奥田

今はそうですが、それは「今だけ」ということに気付かなければなりませんね(笑)。

John

本当ですね。これで最後の最後の質問ですが、浩美さんが一番尊敬するイノベーターは誰ですか?

奥田

マザー・テレサ氏です。マザー・テレサ氏の言葉はたくさん残っていますが、中でも私の一番好きな言葉は、「どんな背景のあるお金でも、私の目の前に持ってきてくれたら、それをきれいにします」というものです。つまり、お金をものすごくきれいに世の中に流しますという意味です。マザー・テレサ氏には、黒い世界と繋がりがあるのではないかと言われた負の時期がありましたが、その時に言った言葉なのです。私は、これを「ファウンディング」というのだろうと思いました。こうしたこともあって、マザー・テレサ氏は、イノベーターなのだと、私は捉えています。

John

なるほど、そういうことですね! 素晴らしい!

本日は、素晴らしい大講演をお聞かせいただいたような感じがしています! 日本のためになります!

本当に、本当に愛りがとうございます!!

奥田氏のイノベーション哲学を示した画像です

以上

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【電子メールでのお問い合わせ先】 inquiry01@jim.jp

(株式会社日本情報マートが、皆様からのお問い合わせを承ります。なお、株式会社日本情報マートの会社概要は、ウェブサイト http://www.jim.jp/company/をご覧ください)

●奥田浩美(おくだ ひろみ)/株式会社ウィズグループ 代表取締役
インド国立ボンベイ大学 大学院社会福祉課程修了。1991年にIT特化のカンファレンス事業を起業し、数多くのITプライベートショーの日本進出を支える。 2001年に株式会社ウィズグループを設立。2008年よりスタートアップと呼ばれるITベンチャーの育成支援に乗り出し、スタートアップのエコシステムビルダーとしての活動を開始。2013年には過疎地に「株式会社たからのやま」を創業し、地域の社会課題に対しITで何ができるかを検証する事業を開始。地域と海外を繋ぎ、新しい事業を生み出す活動も行っている。
委員:情報処理推進機構(IPA)「IT人材白書」検討委員、「未踏IT人材発掘・育成事業」審査委員、経済産業省 Jスタートアップ推薦委員、厚生労働省「医療系ベンチャー振興推進会議」委員・「ヘルスケア・ベンチャーサミット」プログラム委員等。
著書:会社を辞めないという選択(日経BP社)、人生は見切り発車でうまくいく(総合法令出版)、ワクワクすることだけ、やればいい!(PHP出版)

●森若幸次郎(もりわか こうじろう)/John Kojiro Moriwaka
シリコンバレーと日本をつなぐイノベーションプロバイダー兼イノベーションフィロソファー、講演家。
オーストラリアで7年半の単身留学を経て、2010年8月家業である株式会社モリワカの専務取締役に就任。2014年4月イノベーション事業部を設立し、CIOに就任後、病院と大学との連携で医療機器開発を開始。
2015年11月株式会社シリコンバレーベンチャーズを創業し、代表取締役兼CEOに就任。国内外のスタートアップ、中小、大企業向けに経営アドバイス、学術研究都市にオープンイノベーションのアドバイス、大学や高専にてアントレプレナーシップ教育、シリコンバレーの現地ツアーなどサポートを行う。
シリコンバレーにてスタートアップワールドカップのアンバサダー、全米1位のライフサイエンスに投資をするエンジェル投資協会のメンバー、アルケミストアクセラレーターのメンターも務める。
2018年3月シリコンバレーにてStartupFire Inc.を設立し、CEOに就任。シリコンバレー、日本各地で「#StartupFire」というスタートアップを支援し、イノベーションを起こす目的のイベントを運営。
2019年1月和光市にて、Angel Acceleratorを設立し、起業を目指す大学生、スタートアップCEO、大企業のオープンイノベーション事業部の受講生向けに、アントレプレナーシップ教育を開始。
2019年1月東京にて、GoogleがスポンサーであるStartup Grind TokyoのCo-chapter directorに就任。Startup Grindは、シリコンバレー発のイベントで、世界120カ国、350都市、100万人の起業家をつないでいる。東京では渋谷PnPで Startup GRIND TOKYOのFireside Chatを毎月開催。
2019年1月シリコンバレーにて、YuzuVision Inc.を設立し、CEOに就任し、5月ルクセンブルクにて当スタートアップがアクセラレーターブートキャンプに採択され受講。
ハーバードビジネススクールPLD(リーダーシップ開発プログラム)修了、スタンフォード大学経営大学院にてM&A、シリコンバレーのBlackbox(アクセラレーター)受講、スタンフォード大学の夜間やハス・ビジネススクール(UCバークレー)でベンチャーキャピタル、Yコンビネーターでエンジェル投資を学ぶ。
コラムニストとして、りそコラに「イノベーションフォレスト」を毎月寄稿している。

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