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元CAから広がるビジネス世界観。セカンドキャリア支援から防災訓練まで?/杉浦佳浩の岡目八目リポート

日本情報マート

2018.12.17

 年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が、今回紹介する面白い起業家は駒崎クララさんです。

●運営しているメディア【CREW WORLD】
http://crew-world.com/

●会社HP
https://www.kolabo.co.jp/

 「元CA(キャビンアテンダント。客室乗務員)による防災訓練。………。それは一体なんですか?」とお聞きしたことに始まって、物事の見方、ビジネスの幅の広さを学ばせていただいたのが今回のインタビュー。

 駒崎さんは、私にインスタグラムを始めるキッカケをくれた先生でもあるのですが、その駒崎さんがCAから起業家に転身していく過程や、自分自身と向き合うことの大切さ、ぶれない軸はどのようにできたのか、現在の事業内容など盛りだくさんのお話を伺いました。

1 記者会見にCAのいでたちでご登場!

 まず、2018年8月1日に日経新聞に掲載された記事をご覧ください。

 その際の写真はこれです。

 ビルメンテナンス業界に初めてドローンを取り入れるなど、ベンチャースピリットを掲げて新しいことにチャレンジしている大成株式会社(本社:名古屋・東京両本社)。同社で、ビル1棟にひも付く面白い福利厚生サービスを集めた事業モデル「T-select」の記者会見を行いました。駒崎さんも、T-selectに下記2つのサービスを提供しており、記者会見にはCAのいでたちで参加していました。

  • 元客室乗務員による防災訓練
  • 元客室乗務員の人材紹介サービス

 ここで冒頭の質問に戻ります。人材サービスについては想像しやすいのですが、「元CAによる防災訓練」は想像もつきません。そこで、お聞きしてみました。

「元CAによる防災訓練。………。それは一体なんですか?」

 すると、次のような回答を得ました。

『客室乗務員は、搭乗客へのホスピタリティある接客業務がクローズアップされます。しかし、もっと大切なのは乗客の安全確保、避難誘導といった、命を守る保安業務です。防災訓練がないがしろにされている場面を見て、事業化を思いつきました。ビルでの訓練を想定し、リスクマネジメントの観点で行っています』

 「なるほど!」と腹に落ちました。いざというときに役立つ、しかも、CAのいでたちなら話題となって参加者が増えます。場が華やかになり、多くの人が参加し、本来的な訓練ができるという、“一石三鳥”の効果がありそうです。

駒崎クララさんによる防災訓練の様子を示した画像です

2 「女子未来大学」で初めてお会いして

 さて、私が駒崎さんに初めてお会いしたのは、2016年6月の大阪でした。そのときの写真がこちらです。

 たまたま私の関係で、大阪で会場提供をさせていただいたのが出会いのキッカケでした。

 その後、東京で再会し、駒崎さんの事業についてお聞きしました。そして、私がお役に立てそうな先をご紹介させていただいたことが、前述のT-selectの記者会見につながった次第です。

 では、ここで、駒崎さんを含め立場の異なる先進的な女性3名で立ち上げられた「女子未来大学」についてご紹介しておきましょう。ここは「女性たちが自らの主体性を持って人生を選択するための“学びの機会”を提供する、女性なら誰でも参加できるプラットフォーム大学」です。

3 CAは3年で辞めるつもりだった

 インタビューに戻ります。

 駒崎さんは、高校生の頃から漠然とCAになりたいと思っていたそうです。さらに質問してみると、その原点には、子供時代の体験があることが分かりました。5歳から10歳まで、ヨットでフランスから日本まで旅をした際に遭遇した命の危険や、習得した危機管理術が、保安に携わるCAへの道を意識させたのだと駒崎さんは話します。

 その思いを遂げ、駒崎さんはCAとなります。しかし、当時は3年でCAを辞めると決めていたそうです。その理由を尋ねてみると、

『自分自身がやってみたい、いろいろな職業の中にCAがありました。CAは保安の仕事だということから、体力が必要だと想定していたので、体力があるうちにCAとして働こうと思いました。それで、社会人最初の3年に割り当てようと思ったのです』

とのことです。

 なかなか計画をキチンとされての選択、そして仕事内容も理解されてのことです。

『結局、毎日の仕事が楽しくて3年では辞められず、7年半、“雲の上でお仕事”をしていました』

 フライト毎にチームを組み、リレーションをつくり、はじめましてのお客様とコミュニケーションを取りながら、安全に目的地にご案内するという達成感が「最高だった」そうです!

 航空業界はさまざまな仕事をリレーのようにつなげていく業界です。このようにCAの仕事だけでなく俯瞰(ふかん)的に業界が見えるようになったとき、「航空業界に役に立ちたい」という気持ちは変わらないが、CAとしてではなく、違う形で業界を盛り上げていきたい、そう思ったことが起業へつながったと駒崎さんは話します。

CA時代の駒崎クララさんの画像です

 あるとき、キャリアカウンセリングを受けた際に、自己認識、自己肯定の大切さを感じたそうです。それが「自分の軸」、何が自分にとって大事か? 大切にしないといけないことか? を見つめることができたそうです。

4 起業、航空業界になかったサービスを開始

 駒崎さんは、今までに業界になかったこと、他業界でもあまりやろうとしないことに着目して事業をスタートしています。

 【CREW WORLD】という業界横断的に情報発信をするSNSを構築しました。世界中の“現場”で活躍している現役CA、元CAの皆さんが情報共有をするサービスです。

 クローズドな世界で、会社の垣根を越えてCAの方同士が相談し合う、情報を提供し合う。同じ会社の同僚 などには聞きづらいことでも、同業他社の方には聞けたり、尋ねやすかったりするものです。しかも、匿名なので気軽に交流が生まれ、広まり、かなりの数のCAの方が活用しているそうです。

 日々の忙しさ、過酷なCA仕事からモチベーション向上にもつながるこの交流の場に、駒崎さんは1万人の現役CA、元CAの皆さんが参画してもらえるように活動しています。この【CREW WORLD】上ではさまざまな企業が、広告の出稿やCAの皆さんへの商品評価、海外現地での多くの体験アンケートなどを実践しており、航空業界のみならず広く注目されています。2018年から、口コミの一部をオープン化し、多くの方に情報が届くようになりました。

5 CAが長きにわたり活躍する未来へ

 駒崎さんが描く未来とは、どのようなものなのでしょうか。それはCAのセカンドキャリア支援事業に取り組む姿勢にかいま見えます。といっても、現役CAの方々に、率先して転職を勧めているわけではありません。かなり時間を掛けて、じっくりとCAの皆さんと向き合い、対話をして、なりたい自分はどのような自分なのか? 自分の居場所はどこなのか? 自分の“根っ子”は何なのか? 自己肯定感(自分の軸)が得られるようにカウンセリングを丁寧に行っているそうです。

 駒崎さんは、これも航空業界の発展のための一環として行っています。自分発見からまたCAとしてイキイキとモチベーション高く持って復帰される方もいれば、次のステップへ進む方もいる。こうした方々に、社会への接続を大事に、大切にとアドバイスをしているそうです。

 ちなみに、セカンドキャリアとして、元CAの皆さんがどのようなところでご活躍か聞いてみますと、『法人営業(クロージングメインでなくBtoBでの顧客接点の構築、メイン担当でなく営業サポート的に)、コミュニティーマネージャー、広報、採用人事、秘書、と活躍の場が広がっています』と。元CAだからこそ“相談の和”が広がるのも納得です。

 たった一人で起業した頃、コーディングも独学で習得、徹夜もいとわず、時には3日間寝ずに仕事に没頭したり、コワーキングオフィスに寝袋持参でパソコンに向かったりしていましたと、笑顔で語る駒崎さん。

 自社のメンバーが10名(業務委託を含む)を超えてきても、ぶれずに航空業界の発展を見据えて事業を展開する駒崎さんは、『具体的な数字目標を第一に掲げるのでなく、その前に自分の軸をどうするか、どこに置くかを明確にした事業運営を大切にしています』と話します。数字一辺倒の経営視点から、駒崎さんの自分や会社の“根っ子”を大事にする視点も大切にしたいと思いますね。自分との対話を大切に。と私自身も大事にしたいと思いました。

 また、駒崎さんはプライベートでは能にもチャレンジされ、女子未来大学のメンバーと共に若者に能を広める若者能の社会人スタッフ等、多彩に活動されています。

筆者と駒崎クララさんの画像です

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2018年12月17日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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執筆:杉浦佳浩 (すぎうら・よしひろ)
代表世話人株式会社代表
三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。 日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和(当時)にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、 部品メーカー等の主力工場を担当。 退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に二十数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。 社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。年間1000人以上の経営者と出会い、縁をつなげている。

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