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「パートナーシップ」をベースにして強い組織をつくる

日本情報マート

2019.06.25

 現在、人材確保は重要な経営課題の1つです。「人手不足」が叫ばれている一方で、転職する若者が増えているなど人材の流動化が進んでいます。また、必ずしも自社で人材を雇用しなくても、外部の企業や人へ委託できる環境も整ってきました。

 企業が繁栄するためには、こうした状況を踏まえて、チームの活性化を図ることが不可欠です。

1 強いチームをつくるために欠かせないパートナーシップ

 成長する企業は、従業員やスタッフなどのメンバーが高いパフォーマンスを発揮しています。特に業歴の浅い中小企業では、経営者の人材のマネジメントが業績を左右しますが、人材のマネジメントで失敗している経営者も少なくありません。

 中小企業の経営者が犯しやすい過ちは、「人材は自分の手足として動く人」と認識してしまうことです。大企業のように中間管理職が大勢いる組織であればともかく、小さな企業は、従業員が「社長のために働かされている」という思いを抱いた瞬間から働かなくなるでしょう。優秀な人材ほど、職位の上下による指揮命令で動くのではなく、自分の役割を果たすために努力しようとするからです。

 経営者としての強いリーダーシップは必要ですが、「パートナーシップ」の考えをベースにしたマネジメントが必要です。つまり、従業員を重要なパートナーとして認識することです。

 もっとも、チームはしばしば崩壊の危機に直面します。例えば、経営者と役員の意見が合わずに大ゲンカすることはしばしばあります。しかし、互いが納得できるやり方を見いだしてミッションを果たそうと努めることで、強いチームになれる可能性が出てきます。

 理想は、スポーツの強豪チームのように、メンバーは監督による統率に従うだけではなく、一人ひとりが自分で考えて成果を発揮する“自立型”のチームをつくることです。

2 “人間的魅力”と“ビジョンへ向かう姿勢”が最高の人材を引き寄せる

 人手不足で首都圏の飲食店などはスタッフを確保することがとても難しくなっています。しかし、そうした中でも優秀な人材を確保し、うまくマネジメントしている経営者はいます。

 東京都内でイタリアンバルを経営するAさんは、3年ほどで4店舗出店して、どの店も行列ができるほど繁盛しています。Aさんは、多くの優秀なスタッフを集めることに成功しています。

 Aさんの年齢は40歳で、常に穏やかな表情で会話がゆったりとしていて、相手を包み込む雰囲気です。「懐が深い」という印象を持ちます。店としてのビジョンを掲げて、それがスタッフにも浸透しています。

 先日は、店に客として通っていた人が、「ここで働かせてください」と志願したそうです。実は飲食店での勤務経験があり料理ができる人で、Aさんの人柄と店のスタッフが生き生きしているのを見て働きたくなったそうです。

 人材を確保し最高のチームをつくりあげるためには、人間的魅力を磨くとともに、ビジョンに向かう姿勢を示すことが重要です。

3 社外の協力者もチームのメンバー

1)頼りになる社外の協力者を見つけるには

 最近は、外部委託を活用する企業が増えています。また、事業のプロジェクトごとに、各分野の専門家(企業)と提携することも一般的になっています。システム開発会社が、案件ごとに外部のSEと契約するのが典型的な例です。

 このような社外の協力者も、自社を支えてくれるチームの貴重なメンバーと認識して、うまく付き合うことが重要です。社外の協力者の例を挙げると、次のような人(企業)が考えられます。

  • 共同で研究開発をする先
  • 商品仕入先
  • 製造委託・試作品開発委託先
  • Web制作・コンピューターシステム開発委託先
  • マーケティング(営業)委託先
  • 外注先(協力企業)
  • 人材派遣会社(シェアリングエコノミーを含む)

 頼りになる社外の協力者とは出会いをきっかけに、事業が一気に飛躍することもあります。しかし、「電話営業に乗って仕事を依頼したら、うちに合わなかった」など、失敗することが多いのも事実です。

 自社にマッチする協力者と出会うためには、信頼できる人から紹介してもらう方法がお勧めです。日ごろから、人脈の中で信頼できる人へ「○○の仕事をお願いできる人を探している」と、求める人物(企業)像を具体的に伝えておくと、良い出会いのチャンスが広がります。

2)クラウドソーシングの活用

 クラウドソーシングなど、フリーランスや主婦などに、定額でリモートワークを依頼できるサービスが複数登場しています。

 いずれも一般的な外部委託と比較して、低料金で依頼できるのが特徴です。試験的に依頼して、継続するかどうか検討することもできるので、失敗しても痛手は少なくて済みます。

 これらのサービスを活用すれば、Webサイトから比較的簡単に仕事の発注ができる、人材を雇用するよりも低コストで導入できる、といったメリットがあります。発注できる仕事の内容も多岐にわたっています。社内で不足している人材やノウハウを、スピーディーに低コストで補うことが可能です。

3)社外の協力者とのチーム力を高めるために

 社外の協力者を交えたチームが良い成果を上げるためには、「目標の明確化」「言葉の共通化」「進捗管理」を意識することが重要です。この3つのポイントを押さえて事業やプロジェクトを進めることによって、高い成果を発揮することができます。

1.目標の明確化

 成果を上げるには、事業やプロジェクトにおいて最終的に何を達成するのかという、目標を明確にすることが不可欠です。目標は、達成したい数値(金額)などを具体的に決めて、チームメンバーに周知することが重要です。

2.言葉の共通化

 社外の協力者と仕事のやり取りを行う際に、互いに使用する言葉(用語)を定義しておきましょう。例えば、機械を販売する企業が「ユーザー」という言葉を使う場合、製品を購入するエンドユーザーを指すのか、機械を操作する現場の作業員を指すのかを定義しておかないと、誤解するリスクがあります。

 また専門用語は、社外の協力者が意味を理解できるように、しっかりと解説してから使用することを徹底しましょう。

3.進捗管理

 特に社外の協力者が複数いる場合、進捗管理を徹底しないと、迷走して目標に到達できない可能性があります。「いつまでに誰が何をやるのか」を定めたスケジュール表を作成し、チームメンバーと共有する必要があります。

 事業やプロジェクトの責任者は、仕事を頼んだままにするのではなく、計画通りに進んでいるかチェックし、遅れている場合は遠慮なくスピードアップを促すことが重要です。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年6月25日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:上野光夫
株式会社MMコンサルティング 代表取締役・中小企業診断士
1962年鹿児島市生まれ。九州大学を卒業後、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)に26年間勤務し、主に中小企業への融資審査の業務に携わる。3万社以上の中小企業への融資を担当した。融資総額は約2,000億円。
2011年4月にコンサルタントとして独立。起業支援、資金調達サポートを行うほか、研修、講演、執筆など幅広く活動している。
リクルート社『アントレ』などメディア登場実績多数。
著書に
 『起業は1冊のノートから始めなさい』(ダイヤモンド社)
 『「儲かる社長」と「ダメ社長」の習慣』(明日香出版社)
 『事業計画書は1枚にまとめなさい』(ダイヤモンド社)
などがある。

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