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経営者の皆さん!社員とコミュニケーション取れていますか?~会社が明るく、楽しくなる秘訣をVITAさんに聞く~/岡目八目リポート

日本情報マート

2019.06.04

 年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、等身大株式会社の代表取締役であるVITAこと内藤紗弥花さんです。多くの方々から「VITA(ヴィータ)」で親しまれていますので、ここでも「VITAさん」でご紹介します。

1 人は、いつから働くのが楽しくなくなったのか?

「働く喜び調査2013~2017年」(出所:リクルートキャリア社)の資料を見ていても、ネガティブワードのオンパレード。【楽しい】がなんと15番目に出てくるのです。いったい仕事が楽しくなくなったのはいつからのことなのか……? そう考え込んでしまいそうです。

 私は毎日楽しくて楽しくて仕方がないですが(笑)。

 この他にも、会社員が「イキイキ仕事していない」と感じることが、残念ながら少なくありません。これでは、働くのはシンドい、ツラいというのが当たり前になってしまうと危惧しています。

 そんな重い空気感を数分で一変させ、その場を笑いと笑顔で包み込む講演家、それがVITAさんです。今回は、VITAさんに「会社が明るくなる、楽しくなる秘訣」を伺いました。特に「うちの会社はちょっと暗くて……」と悩んでいる経営者の方には、とても良い刺激になる内容です。

2 「年収6000円ですか?」「いえ、8900円です!」と真顔で

 2018年11月、私が登壇させていただいたある勉強会に、VITAさんをお招きしたことがあります。そのときに私は、会場の皆さんに「年収1万円以下の経験がある方はいらっしゃいますか?」と質問させていただきました。そこでたった1人だけ手が挙がったのがVITAさんなのです。

 次に問いかけたのが、「年収6000円でしたよね?」でした。それに対してVITAさん、『もう少し多かったです!8900円でした』。この一言で会場がどよめく! 仕事感、働き方関係のセミナーであったこともあり、参加していらっしゃる方々に、「いかにお笑いの世界が厳しいか。そこで頑張ったVITAさんが、いかにすてきか」をお伝えしたいと思い、筋書きのない質問を突然させていただいた次第です。

 この質問の後に、VITAさんには一発ネタを幾つか披露していただき、会場の雰囲気が一気に明るくなりました。おかげで皆さんとの交流もスムーズに進み、とても素晴らしい会となりました。感謝しています。

 VITAさんとの出会いは、VITAさんが会社を設立されて3カ月後のことで、今から3年前の9月になります。懇意にしていただいている社長さんから、「面白い講演が聞けるから杉浦さんも来たら? 勉強にもなるよ」と声を掛けていただき、参加しました。当時は、「内藤紗弥花VITA」というふうに「本名+芸名」で名乗っていらっしゃったことも懐かしいです。

 ここで、等身大株式会社のHPから、VITAさんの略歴を簡単にご紹介しましょう。

●VITAさんの略歴(HPより)

・等身大株式会社 代表取締役。エンターテイナー・講演家。1985年神奈川県三浦市生まれ。「将来は政治家になります」と宣言し、AO入試にて慶應大総合 政策学部に合格。卒業後、突然、よしもと芸人に。全く売れずに、バイト生活すること3年。引退を考えていたころ、友人の言葉に奮起し、なんとか、2010年プチブレイク。「さんまのまんま」、「ぐるぐるナインティナイン」等、計10番組に出演を果たす。引退後は、営業コンサルティング会社にて営業パーソンとしての経験を積み、辛酸をなめる。ある時「あなただから買ったのよ」と伝えてくれた顧客との出会いに「仕事の最大の価値は人」だという信念を持つ。その後、2年間で7業種の営業を体験し、トレーナーとしても経験を積む。現在はエンターテイナー・講演家として活動。中学生から中央官庁管理職までと対象は幅広い。どんな相手でも繋がれるコミュニケーション術や、「等身大力セミナー」(今ある力を最大限に活かして、目の前の人を幸せにする力)を伝え、デビューわずか2年で年間150回の講演、研修の依頼を獲得。セミナーは、元よしもと芸人ならでは。ユーモアを交え、会場内を縦横無尽に動き回る体当たりのスタイルは好評を博し、働く人々の背中を押す。

 このような略歴のVITAさん。「年間150回の講演を全力で」。本当にスゴいと感じます。

等身大株式会社の使命を記載した画像です

3 なぜ、VITAさんはお笑い芸人を目指したか?

 政治家を目指していたVITAさんが、お笑い芸人へと進んだのはなぜなのか? 「この歩みには、子供の頃からのことが何か影響しているのでは?」と思い、子供の頃や学生時代について伺ってみました。

 「目立ちたがり屋さん」。これが、VITAさんの子供の頃の全てと感じました。ただの目立ちたがり屋さんということではもちろんなく、周りに元気を与える、その元気が伝播することが大好きな子供時代だったようです。

 「小学校の頃はどんな感じでしたか?」という質問に、VITAさんはこう答えてくださいました。「班長や学級委員長など、『長』がつくものを、とにかくやっていました。学級委員長に初めて立候補したのは、小学校3年生のときでした。そのときに多数決で選ばれた経験、人から信頼を得ることがこれほど気持ちいいのか!と思ったことを、今も鮮明に覚えています。小学校の授業が終わり休憩時間になると、そこは自分の【舞台】。今、授業をしたばかりの先生の物まねをしてクラスメートに「授業」をする【復習】で、自分自身も勉強となり、クラスメートも同様に学習レベルが上がる感じでしたね」

 ある意味、教育研修で大切な相手に【伝える・伝わる】技術も、この「物まね授業」あたりから習得できて、一定のレベル感になっていった感じですね。

 また、VITAさんは、高校の3年間のうち、2年間も生徒会長だったそうです。これはビックリしますね。1年生の秋口に立候補をして当選。そこから丸2年間、生徒会長を経験したわけですから、VITAさんの行動力、リーダーシップを感じます。

 こうした子供時代や学生時代のコミュニケーション力や行動力、リーダーシップを生かし、社会課題を解消すべく政治家を目指したVITAさん。大学入学後も熱心に学んでいたそうです。テーマは学問として浸透し始めていたCSR(Corporate Social Responsibility)や、CSV(Creating Shared Value)。そこにのめり込んで、社会問題、社会企業論を研究しながら、VITAさんは「自分に何ができるか?」「社会へのインパクト、プロジェクトを何で動かすか?」という自問自答を繰り返し、卒業前のゼミの発表で「お笑い芸人になる!」と宣言し、その道へ。ゼミの中で相当珍しいチャレンジであったことを笑顔で振り返ってくださいました。

4 お笑いの世界で学んだこと

 「世の中を笑顔にしたい」というプロジェクトを実現するために、VITAさんが飛び込んだお笑いの世界。そこは、生易しいものではなかったそうです。吉本興業が運営するNSC(吉本総合芸能学院)に40万円の入学金を払い込んで入ったVITAさん。同期は当時600人ですが、厳しさに耐えかねて、すぐに100人が去ったそうです。1年目のプログラムに最後まで残ったのは、入学当初の3分の1程度の200人。

 言葉にできないほど理不尽とも思える【先輩からの教育】も相当ありながらも、VITAさんは頑張ったのですが、正直、NSC入学時、「私の来るべきところではなかった」という思いもあったと話します。お笑いの世界の上下関係はとても厳しく、本当は優しい先輩たちも、入学1年目のVITAさんたちには、1年間、心を鬼にして厳しいことをあえて実践してくれていたのだそうです。こうしたしきたりや、流儀、お笑いの世界特有の慣習で、VITAさんがメンタル・タフネスとなっていったことも事実。しかし一方で、どこにも売れることが保証されていない現実にも直面したそうです。

 NSCへ入学してから1年後、VITAさんはプロのお笑い芸人への道を進みます。VITAさんに、当時のスケジュールを聞いてみました。

●ある2日間のVITAさんのスケジュール

  • 6:30~15:30 カレー屋さんでアルバイト
  • 16:00~22:00 電気店で接客のアルバイト
  • 23:00~4:00 居酒屋でアルバイト
  • 4:30~6:00 睡眠 90分
  • 6:30~15:30 カレー屋さんでアルバイト
  • 16:00~18:00 漫才の相方とネタ打ち合わせ
  • 19:00~21:00 ライブに出てスベル(笑ってもらえない)

 とこんな48時間を繰り返していたそうです!

 お笑いライブに出演するにも、VITAさんは自らチケットを購入していたそうです。1500円×10枚が最低枚数。これを購入して舞台に上がる権利を得ていたのです。その出演ギャラは、当初は500円もらえればよいほうだったとか。

 この芸能生活スタート時点の1年目のギャラ総額が、「年間で8900円」だったそうで、翌年、翌々年と3年間チャレンジするたび少しずつギャラは上がり始めましたが、逆にバイトをする時間がなくなってしまいます。お笑い芸人の最終年には何度も生活が困窮する場面があったそうです。その状況で相方さんから『もう辞めよう』の一言でお笑いを卒業することになったそうです。

 VITAさんのお笑い芸人時代のお話を伺っていて、「理不尽がよいとは言えないが、そうした経験をしたことは大きい」と私は感じます。

 芸人生活の後、VITAさんが飛び込んだのは営業コンサルティングの会社でした。ビジネス経験が何もなかったことから、現場に入り込み、自ら電話営業などなど幾つも【現場経験】を積み重ね、トレーナーとしても活躍。そこから現在の姿である講演家として、VITAさんは独立します。

持ち前の明るさ+芸人根性+コンサルティング=講演家

 というスタイルとなっていると感じます。

VITAさんと著者の近影です

5 年間150回の講演で見えてくる、【今】の課題について

 VITAさんが代表を務める会社の社名である【等身大】については、同社のHPにもその想いがこもっていると感じます。

●【等身大力】について(HPより)

「あなたに、会えて良かった」「あなただから、お願いしたい」「あなたの、おかげです」そう言われる「あなた」とは、ありのままの自分を受け入れ、それを輝かせて生きている「人」です。どんなに似たモノやサービスが溢れる時代になっても、たった一つ、差別化できる価値とは、「人」であると私たちは信じています。等身大株式会社では講演や研修をつうじ、まずは、“知る”「自分の素晴らしさに気づくこと」(自己理解)そして、“表す”その能力と社会をつなげるための発信力(コミュニケーション能力)を伝え、行動の変化を促しています。

 自分との対話の中で、決して偽りなくイキイキ生きることの大切さ。等身大だからこそ明るくなれる、セルフマネジメントも無理なくできる、自分に向き合える、だからこそ【あなた】【みんな】に優しくなれる。そんな気付きを与えてもらえるのがVITAさんの研修の特徴だと、受講してみて感じます。

 それだけではなく、冒頭で紹介したような、蔓延するネガティブな雰囲気の会社や社会の問題に対して、等身大力を広げることで、VITAさんは大学時代に研究してきた課題と向き合っていらっしゃるように私には感じました。

  • 自分と向き合っていない
  • 自分が何がしたいのか? 欲しいものも見つけられない
  • 【個】を生きていない
  • 周りに、耳年増(みみどしま)になっただけ、「青い鳥」を探し続けている
  • 本当の喜びを知らない、見いだせない(風を読むことだけは卓越している)

 現在、こんなことが若者だけでなく、それなりの年齢層にも多く見受けられるそうです。この傾向は残念ながらますます増えていく様相を呈しているように思えます。

 「生きるとか、働くといったら『VITA』だよな」。【笑顔のアイコン】になりたいと願うVITAさんは、常に最高品質の自分でいることを心掛けています。楽しくないのは、全力で参加していないから。VITAさんの姿勢から強い思いを感じた次第です。

 年間150回の講演で、おおよそ2万人もの方々に「等身大力」を伝授し続けながら、将来は等身大力を伝授した「VITAチルドレン」たちと一緒に、「社会に笑顔を届ける仕事を続けたい」と、VITAさんは、まさに大きな大きなVITAスマイルで語ってくださいました!

VITAさんと著者の近影です

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年6月4日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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執筆:杉浦佳浩(すぎうら・よしひろ)
代表世話人株式会社代表
三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和(当時)にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、部品メーカー等の主力工場を担当。退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に二十数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。年間1000人以上の経営者と出会い、縁をつなげている。

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