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全国、全ての中小企業を黒字に!〜ITサービスを提供するライトアップ社が実現したいこと/岡目八目リポート

日本情報マート

2019.10.09

 年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、昨年(2018年)6月にマザーズに上場された株式会社ライトアップの代表取締役である白石 崇さんです。

 全国にあまたある企業の中で、周知のとおり圧倒的に数が多いのは中小企業。平成27年度国税庁データによると、企業数における大企業の割合は、0.3%。残りの99.7%の中で、黒字の中小企業は35.4%、圧倒的多数を占める64.3%の中小企業が赤字となっている現実。この赤字の中小企業にIT化という経営支援を推進することで経常利益率は1.46倍(出所:経済産業省)に。そこにコミットして、サービスを販売することから考えると儲かりづらい赤字中小企業にマーケットを絞り、愚直に事業に取り組んでおられる白石さんにお話を伺いました。

1 中小企業の課題感について

1)現状について なぜ赤字中小企業にターゲットを絞っているか?

 大企業も中小企業の支えがあってこそ経営がなりたっているはず。その中で中小企業を取り巻く環境は厳しくなる一方。その支えている中小企業の3分の2が赤字決算、本当に厳しい経営環境。なぜ企業はITやネットを活用しようとしているのか? それは経営状態を改善したいからだ(売上向上等)と、いつしか考えるようになった白石さん、そのために2014年に専門部署を立ち上げ『経営支援』に真っ向から取り組んでいくと覚悟を決めたそうです。

 冒頭の、業務をIT化することで経常利益が1.46倍に増える!ここにフォーカスして赤字企業を黒字へ導く支援をスタートしたそうです。赤字企業のIT化へのネックは【資金不足】と【人材・ノウハウ不足】の2点(中小企業庁のデータより)。ここも明確化している、そのために【安価】なITサービスを提供し、そのためのチャレンジ資金をなんとか確保する。解決施策と資金の両方の【解】をセットで提供することでどんな赤字企業でも業務のIT化が実現し、利益率を向上させることができる環境を作り、提供していきたいと話します。もともとITの世界にいた白石さんは、【資金不足】と【人材・ノウハウ不足】の2点をITで解決するのが、IT企業の役割、存在意義だと語ります。

2)白石さんが実現したいこと

 国の税収は主に3つ、所得税、法人税、消費税で合計60兆円。支出は約100兆円。毎年40兆円の国債が新規で発行されている現実。現在300万社の法人が存在しますが、その合計で30兆円の利益を出し、12兆円の法人税が納付されています。

 ここを白石さんは、すべての企業が3倍の利益を出すことができれば、法人税は36兆円となり、国債発行はほぼ必要なくなる。そしてさらに3倍の利益になれば国家予算は2倍に増えて、すべての社会問題に対して何らかの対策を打つことができ、日本を再度活性化させることができると思っていらっしゃいます。

 起業家として大きな課題解決を掲げて取り組む大切さを感じました。

3)白石さんが実現できたこと(2018年度)

  • 年間2万社の経営者に2時間の経営勉強会でIT活用のノウハウ提供ができた
  • 年間2000社に対して経営コンサルティングができた
  • 年間3000社に対して業務のIT化支援を提供できた

 この実績はなかなかすごいですね。そもそも事業投資、事業継続もままならない、赤字企業へアプローチすること、儲からないの一言が参入障壁となっていると感じますが、その儲けづらいマーケットをあえて選んで事業展開をされていることに頭が下がります。

 その上、想いの高さ、大きな実績を作っておられる白石さん、続いて起業に至るまでのお話についてお聞きしました。

2 起業のキッカケ

1)NTTを辞めるまで 会社員時代6万人のファンがいたそうです

 大学生の時の衝撃的な出会い、それがEメール、インターネット。【世の中を変える】そう感じ、一生このインパクトあるツールとなにかしら付き合っていこうと決めていたそうです。

 その環境を続けられる会社として選択したのがNTT。「マルチメディアを形にするNTT」というテレビCMを見たことがきっかけだったそうです。サラリーマン活動がスタートしました。でもなかなか自分のやりたいことができない時、入社4年目にインターネットプロバイダ事業を行う子会社に出向した際、その事業連携の打診先にと連絡を取ったのが、後に転職することになる、まだまだ人数の少なかったサイバーエージェント社だったそうです。白石さんから連絡した時に、サイバーエージェント社側から『あのメルマガで有名な白石さん?』と聞かれたそうで、ご自身がビックリ。

 白石さんは、大学時代から心理学を学び、それを題材に個人でメルマガを発行していたそうで、読者が当時6万人を超えてランキング3位という、その世界では【有名人】だったそうです。この有名人の白石さんから連絡があった、サイバーエージェント社側が、白石さんをスカウトへと動いて、NTTを退職することになったそうです。

2)サイバーエージェント社をスピンアウト

 サイバーエージェント社に入社した白石さん、プログラム以外の仕事はすべてやりました、と話します。同社初のコンテンツ企画制作部門を創っていかれたそうです。

 入社して1年ほどで転機を迎えます。白石さんが管掌していたコンテンツ部門が業務縮小へと方針が変化し、仕事がやりづらくなっていったそうです。その頃一緒に仕事していた部下の皆さんから『辞めないのですか?』『起業しないのですか?』と尋ねられるようになり、全く起業志向ではなかった中で周りから背中を押される感じで、起業の道を選んだそうです。サイバーエージェント社とはその後も友好関係が続き、創業後数年間はたくさんの仕事を発注してもらえたそうです。

 以下にライトアップ社HPから同社の変遷をご紹介します。


  • ・(株)ライトアップ・現在までの歴史

     (株)ライトアップは、2002年にサイバーエージェント社コンテンツ部門メンバーが中心になり設立されました。元々の部署名が「メルマガファクトリ」だったこともあり、当初は様々な企業の「メールマガジン」の編集代行を実施していました。現在でも、ライトアップは「現存する国内最古のメルマガ編集会社のひとつ」だと思います。

     その後、「メルマガ」→「ブログ」→「バズマーケ」→「ソーシャルマーケ」→「SEO」→「クラウドツール」→「経営コンサル」・・・と新規事業と業態転換を続けながら拡大していきます。その結果、2018年6月22日(金)に東証マザーズ市場へ上場することができました(証券コード:6580)。

     選択と集中という言葉がありますが、弊社は真逆を進み「世の中が望むサービスをできるだけたくさん、できるだけ低コストで提供し続けていく」をモットーに、あらゆるネット系新規事業にチャレンジし続けています。

     20年近くの社歴に基づいた安定感と、社員の数より多い商品・サービス群を武器に、これからも「受託制作業務」→「クラウドツール開発・卸業務」→「赤字の中小企業への経営・IT支援」に全力で取り組んでまいります。

     現在、最も力を入れていることはこちらです。これがIT・ネット企業の存在意義だと考えています。

    全国、全ての中小企業を黒字にする

    (出所:ライトアップ社ウェブサイト)

 この歴史を拝見していて、まさに企業は生き物、トライアンドエラーの連続、ITを土台に時代にマッチする事業を行っている。白石さんのマーケットの声を聞く姿勢があればこそのことと感じました。

 続いて、同社の事業概要、今力を入れている事業についてお話を聞きました。

3 毎年、年間600回のセミナーを開催、2万社の経営層が参加!

1)年間600回をどうやって?

 年間600回のセミナー、勉強会、イベントを実施されている白石さん、IT企業だけにオンラインで実施している?と思いますがそれが全てリアルイベントだそうです。白石さん曰く、まだまだ地方の中小企業経営者はインターネットを日常的に【活用していない】ため、IT企業でありながら、対面状況を創り全国で600回にのぼるリアルな説明会イベントを開催しています。と。このリアルイベント、勉強会を開催するために、全国の、地銀、電力会社、生損保、自治体、商工会議所等と連携もしているそうです。智恵を絞り出されていますね。

 2014年に経営支援に真っ向から取り組む覚悟で開発したツールが、【Jマッチ】で、中小企業経営者にとって大きな課題の資金面から支援する、社長のための経営支援サービス

Jマッチの画像です

 これは、自社の【資本金、社員数、所在地、売上等】の【基本情報】と、【売上減少、人材採用難、離職率等】の【経営課題】を入力することで、最適な【解決策】と【資金確保手段】を自動的に提案するようになっています。

 その結果、2017年には大きく飛躍することができ、会員1万社、80億円超の資金確保(返済不要)、多様な人材研修の提供などが実現できました。大変好評です。とのこと。

Jマッチの画像です
道玄坂日記の画像です

2)現状注力中のITサービスについて

 白石さんにココ最近一番注力していること、そこを尋ねますと、真っ先に返事があったのが【採用です】と。昨今採用費はうなぎ登り、コストを掛けても採用人数0人やせっかく採用してもすぐに辞めていく。そんな中で、一人あたりの採用コストが150万円となっている現実。そこを10万円に下げようと頑張っていらっしゃいます。その余ったコストの100万円分を入社後の育成、研修や業務のIT化に投資できる経営環境を作りたいと思っています。

 自社でもコスト70万円で15名の採用に成功されています。その概要はこちらです。

 上記以外にも、外国人に特化した求人媒体、ロジックで最適人材を紹介する全自動の人材紹介会社システム、1日500円からの短期バイト・マッチングサービス、無料で利用できる採用診断システム、と多彩なサービスを展開中です。

3)今後の展開について

 採用の次は離職の防止で経営者の役に立ちたいと思っている白石さん。

 「革命的なPCログ分析ツール」「かゆいところに手が届く月次自動アンケートシステム」「ブロックチェーンを活用した福利厚生サービス」「かなり真面目な離職確率測定サービス」となかなかおもしろい企画が目白押しだそうです。順次、システム提供に移っていこうとされています。白石さんは、採用、育成、離職防止といった「人」に関する大切なことにITを活用して自動化し、売上向上や社員の働きやすい環境を実現して、本当の意味で生産性を向上させる。そんな取り組みを進めていこうとされていると思います。

 【赤字】の中小企業を支援したいと事業にコミットしている、そんな会社はライトアップくらいだと奇特な会社扱いをされるそうですが、白石さんは、至って真面目に、真剣に取り組んでいますと胸を張ります。

 最後に事業連携についても積極的に進めようとされています。同社としても提供できること、また必要としていることについても伺いました。

◆同社が提供できるもの

  • Jマッチ会員5万社をご紹介できます(79%が経営層・社員数20名未満)。毎年2万社の経営層が参加する勉強会を共同で開催したり、サービスを公的支援制度対応にリパッケージできます(価格ネックの大幅低減)。
  • 最新の各種ITツールを安価に“卸”せます。

◆同社が必要としているもの

  • 中小企業を支援したいと考えている「パートナー企業」「個人」
  • 中小企業の経営課題を解決できる「IT系サービス」
  • 新しいITサービスを開発したが、売り方がわからない「ベンチャー企業」

※法人、個人の区別なく、ビジョンに共感していただける方は大歓迎です、とのこと。

 自分たちは、日本経済の足元を支えている中小零細企業の社長の悩みに向き合って、それに対して何をしたらいいかだけを真剣に考えてきた、そしてこれからも考えていく会社です。とお話しされる白石さん。

 事業連携も加速していきながら赤字の中小企業を無くす、白石さんの「世の中へのお役立ち」にますますの成長を期待したい会社だと感じる次第です。

白石さんと杉浦さんの画像です

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年10月9日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

【電子メールでのお問い合わせ先】 inquiry01@jim.jp

(株式会社日本情報マートが、皆様からのお問い合わせを承ります。なお、株式会社日本情報マートの会社概要は、ウェブサイト http://www.jim.jp/company/をご覧ください)

執筆:杉浦佳浩(すぎうら・よしひろ)
代表世話人株式会社代表
三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和(当時)にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、部品メーカー等の主力工場を担当。退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に二十数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。年間1000人以上の経営者と出会い、縁をつなげている。

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