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今こそ採用ブランディングに本気を出そう!/激動の2020年を勝ち抜く採用戦略(2)

日本情報マート

2020.02.25

 「採用を成功させるには、今どのメディアに情報を出せばいいんでしょうか?」といった相談をよく受けます。しかし、そういった手法論の前に必要なのが、骨太な採用戦略の世界観をつくることです。つまり採用の「やり方」ではなく「あり方」を考えること。その上で重要になってくるのが、自社の魅力をきちんと再定義することです。

 採用活動において、自社の魅力を伝える=ブランディングを重視することは、実は時代背景ともマッチした極めて合理的な戦略です。もっというと、この空前の人出不足時代にどうすれば人が採れるのか。その「解」のひとつが、ブランディングにあるのです。

 連載第2回の本稿では、採用戦略策定の第一歩ともいうべき「採用ブランディング」の重要性について解説していきます。

1 ブランド価値の破壊力

 改めて、ブランドとは何かを考えてみましょう。ブランドとは、個別の売り手もしくは売り手集団の財やサービスを識別させ、競合他社の財やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたものと定義されます。

 一般的に企業は、自社商品やサービスをライバル会社のそれと差別化するために、ブランディングを図っています。当然ながらブランドが持つ知名度や信頼感などの無形の価値が強くなるほど、圧倒的優位性を獲得していくことができます。

2 働く価値観の変化に好機到来

 ブランドの持つパワーを理解していても、自分の会社とは無縁だと諦めている企業の方が多いかもしれません。「誰もが知っている大企業」=「採用ブランド力が高い」という認識が支配的なのは分かります。しかし、ここで声を大にして言いたいのは、知名度の高い大企業がすべて採用の勝ち組ではないということです。

 ある調査で就職活動をする学生の志向を聞いたところ、「ワークライフバランス」と「社会貢献意欲の高さ」を重視する学生が多かったとのこと。特に最近の若者は「価値志向」「社会貢献欲求」に敏感な世代です。端的にいうと、給与がいい会社より世の中の役に立つ会社で働きたいという風潮が高まっているのです。

 自社の「らしさ」をブランディングすることで、ジャイアントキリング的な採用に成功した事例もあります。例えば社会課題に向き合う姿勢、あるいは手厚い社内制度、そこに懸ける思いなどがしっかり伝わっていけば、大きな採用ブランド力を獲得できます。

 また、ある女子アナはトイレのきれいさで就職を決めたと話していました。これは極端な事例ではありますが、自社の「らしさ」を体現したオフィスデザインなども、採用ブランドを高めるポイントです。

3 「らしさ」の因数分解

 では、どうやったら採用ブランドを確立していけるのか。それは自社の「らしさ」を因数分解していくことです。自社の魅力を洗い出し、採用競合と比較してどこが勝っていて、どこが劣っているのかを冷静に分析することから始めましょう。マーケティングフレームの3C分析やSWOT分析を使って考えてみると、分かりやすく整理できるかもしれません。

 ご存知のように、3Cとは「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の3つの頭文字を取ったもので、マーケティング環境を抜け漏れなく把握できます。そしてSWOT分析とは「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の4つを組み合わせて分析することで、自社にとっての市場機会や事業課題をあぶりだす手法です。こうしたフレームワークは本業のマーケティングではよく用いられますが、採用シーンにおいても有効活用できるはずです。

 いずれにせよ「自分たちが何者なのか」という定義を自分たち自身で把握していなければ、採用市場に企業の魅力を正しく伝えることはできません。採用ブランディングとは、自分たちが何者なのかを改めて見つめなおす作業なのです。

4 採用ブランディングのゴール

 自社の「らしさ」を定義する上で重要なことは、過度に「盛りすぎない」ことです。打ち出したブランドが現社員の実感と乖離しすぎると、採用できたとしてもすぐに辞めていくことになります。現社員で実現されていないようなことは、採用ブランドにはなりえないのです。

 逆に、自分たちが何者か、どこに向かい、自分たちがどうありたいのかを全員が分かっている組織は、当然ながら「採用ブランド」も強くなります。そういった意味では、自社の採用ブランドをつくっていくという作業は、そのブランドを全社員で体現できるようにする作業でもあります。

 そして現社員が、採用ブランドで打ち出していく「らしさ」を実感し再認識できれば、その企業で働くことに自己肯定感や幸福感を感じる社員が増えていきます。それが、さらに採用ブランドを確固たるものにしていくことで、理想的なスパイラルが生まれていきます。

 このように採用ブランディングは、企業価値自体の向上に寄与してくれる本質的な取り組みなのです。もちろんブランドというものは、一朝一夕で確立されるものではありません。しかしだからこそ、採用競合との闘いを制すためにも、2020年こそはホンキを出すタイミングにあるのだと確信します。

 次回は、新型コロナウイルスで注目されるオンライン採用を解説します。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年2月25日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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執筆:平賀充記(ひらがあつのり)
株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役 兼 ツナグ働き方研究所所長。1988年(株)リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「タウンワーク」「はたらいく」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長。2012年(株)リクルートジョブズ・メディアプロデュース統括部門担当執行役員に就任。2014年ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任、いまに至る。
著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。

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