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2023.02.20
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米国や中国、韓国などで盛んな「eスポーツ」は、日本でも広がりを見せています。2018年には「日本eスポーツ連合」が発足し、全国都道府県対抗eスポーツ選手権が開催されるようになっています。
今、日本のeスポーツで注目のキーワードは「シニア向け」です。シニア向けeスポーツ施設や、シニアだけのメンバーでプロ選手を目指すeスポーツチームも登場し、メディアで広く取り上げられています。この記事では、シニア向けeスポーツ市場について、参入する際に考えられる競争環境や事例などをまとめています。新しいビジネスを検討している方のご参考になれば幸いです。
日本eスポーツ連合によると、日本のeスポーツの市場規模は、2024年には184億2800万円に達すると予測されています。シニア向けに限ってはいませんが、eスポーツ市場は全体的に拡大していくものとみられています。
大会を中心にeスポーツ市場がにぎわっているのは事実ですが、競技性だけではなく、自分のペースでゲームを楽しむ娯楽性を重視したeスポーツもあります。シニア向けeスポーツはまさにこうした一例で、「楽しい」に加え、ストレス軽減や記憶力向上、認知症予防にもつながるのではと期待されています。
例えばシニア向けeスポーツ施設では、スタッフが初心者にゲーム機の操作方法などを指導しながら、ゲームを楽しんでもらう事業を行っている例もあります。シニア層が同じ施設に通う仲間同士で交流したり、自分の孫や会社の若手社員と一緒にオンラインゲームで遊んだりすることで、刺激を受けられるという面もあるでしょう。
一方、「ガチでプロ選手を目指す」シニアだけのeスポーツチームもあります。競技性、娯楽性の両面で、シニア向けは、まだまだ可能性がありそうです。
ここでは、シニア向けeスポーツ施設を開業する、もしくは関連のサービスを実施すると仮定して、シニア向けeスポーツ事業の競争環境を、ビジネスフレームワークの「ファイブフォース分析」で考えてみます。
自治体が企業や福祉施設と提携してシニア層に対してeスポーツの体験会を行うなど、シニア向けeスポーツを普及させるさまざまな取り組みが進んでいます。
シニア層の中には、デジタルのゲームはとっつきにくい、ゲームは体に良くないといったマイナスイメージを抱えている方もいるかもしれません。一方で、そうしたシニア層に対して「認知症の予防に効果がある」「シニア層同士、あるいは世代を超えて新たな出会いやコミュニケーションの場ができる」、そして、「これから仲間とガチでプロのゲーマーを目指すワクワク&充実感を、改めて感じてみませんか」といったアピールをしていくことが、シニア層にeスポーツを普及させる鍵になりそうです。
日本初の60歳以上限定のeスポーツ施設です。この施設ではeスポーツを通じて、同じ場所で同じ時間を共有し、シニア世代にとっての生きる目的づくりや孤立防止に役立て、新しいコミュニケーションが生まれることを大切にしています。
プレー前に準備運動を取り入れたり、プレー後はコーヒーを飲みながらオフラインで談笑をしたりすることで、体を休めるクールダウンタイムを設けるなど、体に負担がかからないようにeスポーツを楽しめる施設となっています。
55歳以上を対象とした、eスポーツが楽しめるコミュニティーカフェ施設です。室内は畳敷きとなっており、マウス操作だけで遊べる簡単なものをはじめ、専用のコントローラーを使うレースゲーム、最大4人で対戦するゲームなど、約20種類のゲームを楽しむことができるとしています。
また、この施設は2021年度に埼玉県が主催した「社会課題解決ビジネスコンテスト」で最終選考を通過し、埼玉県公認として費用補助対象の指定事業者に認定されています。
自治体や高齢者施設向けにeスポーツの導入サービスを提供しています。ボタンスイッチのみで楽しめる「UDe-スポーツ(ユーディイースポーツ)」を取り入れており、施設内でのオフライン対戦だけでなく、Zoomで同社のサービスを導入している他の施設とつながり、オンラインで交流を図りながら対戦することもできます。
同社では、北海道上士幌町、東北海道第一興商(北海道帯広市)と協同で、eスポーツを取り入れた「介護予防ICT化事業」に取り組んでいます。
この取り組みは、上士幌町の60歳以上の町民を対象に、リズム体操とeスポーツを組み合わせたレクリエーションを提供し、介護予防や認知症対策、同町が目標としている「健康で安心して暮らすまちづくり」の実現につなげるというものです。事業期間は2022年7月1日から2023年3月31日までとしています。
この他に注目したいのは、プロ選手を目指す日本初の平均年齢65歳以上のeスポーツチーム、その名も「マタギスナイパーズ」です。運営しているのはITインフラなどの会社、エスツー(秋田県秋田市)で、ウェブサイトなどで、「孫にも一目置かれる存在」をスローガンに打ち出しているのが印象的です。
加齢や病気の予防(こういう視点も大切です)といったステージからさらに進んで、若手の専属コーチも付けて、プロ選手、プロのゲーマーを目指して仲間と切磋琢磨(せっさたくま)する。「かっこいい」「燃える」などがキーワードの、新しいシニア向けeスポーツの在り方かもしれません。
最後に、シニア向けeスポーツ施設を開業する際の法的留意点を紹介します。
シニア向けeスポーツ施設にゲーム機を設置して開業する場合、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の適用を受けることがあります。風営法の適用を受ける場合、学校の近くには開業できなかったり、都道府県の公安委員会への営業許可申請が必要になったりします。
インターネットカフェなどが、PCのように汎用性のある機器を用いてeスポーツを楽しめる環境を提供する場合、その機器はゲーム以外の機能が現実に利用可能な状態である限り、「ゲーム機」には当たらない(風営法の適用を受けない)とされていますが、この辺りは専門家に確認するなどして慎重に判断する必要があります。
また、シニア向けeスポーツ施設を経営していて、ゲームの大会を開催したい場合、告知や大会での競技の様子をインターネット配信する際に著作権法違反に該当しないか、賞金を用意したい場合、刑法上の賭博罪に当たらないかなどに留意する必要があります。
日本eスポーツ連合では、eスポーツにまつわる法律上の課題や、大会を開く際の留意点などをまとめた「かんたんeスポーツマニュアル」を公開しているので、参考にするとよいでしょう。
以上
※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2022年8月24日時点のものであり、将来変更される可能性があります。
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