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2018 中小企業の株主総会の実務。後日の対応も抜かりなく

日本情報マート

2018.06.08

 2018年の株主総会(この記事では「定時株主総会」を指します)のシーズンになりました。取締役を含め、株主総会の運営を担う人は、法令に基づき、スムーズに進行したいものです。そこで、この記事では中⼩企業に多く⾒られる「非上場会社、大会社以外、非公開会社、取締役会・監査役設置会社(会計監査人非設置会社)」を例に、株主総会における後日の対応ポイントを紹介します。

 なお、「大会社」とは、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社です。また、「非公開会社」とは、定款上、発行する株式の全部に譲渡制限を設けている株式会社です。

 株主総会の事前の準備や当日の運営などは、以下の記事で紹介しているため、併せてご確認ください。

・事前の準備は何をすべき?
・不備なく終える開催当日の運営

1 公告の実施方法

 株主総会後、遅滞なく株主総会で承認を受けた計算書類を公告しなければなりません。大会社以外の会社の場合、公告すべき計算書類は貸借対照表になります。公告の実施方法は、「官報」「日刊新聞紙」「電子公告(インターネット上のホームページに掲載する方法)」のいずれかから選択し、定款に定めることができます。定款に定めがない場合は官報で公告します。

 公告の実施方法が官報または日刊新聞紙の場合、貸借対照表の要旨の掲載で足りますが、電子公告の場合、貸借対照表の全文の掲載が必要です。また、電子公告では株主総会の終結の日後5年を経過する日まで掲載していなければならないなどの制約があります。

2 書面等の備え置き

 株主総会に関連する書面等の中には、一定期間、本店や支店に備え置かなければならないものがあり、株主等からの請求があれば閲覧できるようにしなければなりません。

 主な備置書面等は次の通りです。

株主総会の議事録など、主な備置書面について説明した画像です。

3 株主総会に不備があった場合の対応

 株主総会に不備があると、「株主総会の決議取消しの訴え」「株主総会の決議無効確認の訴え」「株主総会の決議不存在確認の訴え」などにより、株主総会の効力が争われる可能性があります。訴えの種類は次の通りです。

決議取消しなどを訴える場合、提訴できるケース、提訴できる者などに説明した画像です。

 仮に、過去の株主総会に不備が見つかった場合、会社側には対応が求められます。とはいえ、会社法では、どのような対応を取ればよいのかを定めていません。そのため、取るべき対応は決議の不備の内容によって判断する必要があります。

 例えば、取締役会決議で株主総会の招集を決議しなければならないにもかかわらず、代表取締役が独断で株主総会を招集してしまったことを想定し、次のような場合の対応を考えてみましょう。なお、以降で紹介する対応例はあくまでも筆者の見解ですので、仮に、皆さんの会社で不備が判明した場合は、会社法に詳しい弁護士などに相談することをおすすめします。

1. 株主全員が開催に同意して株主全員出席のもと株主総会が行われた場合 招集手続に不備があるものの、株主全員が出席し決議を行っており、その決議は有効に成立するものと考えられます。特段の対応は必要ないでしょう。

2.株主の一部が株主総会を欠席した場合 招集手続に不備があるため、総会決議取消しの提訴が発生する可能性があります。提訴期間は決議の日から3カ月のため、期間が経過しているのであれば、特段の対応は必要ないでしょう。一方、期間経過前であれば、当該株主から総会決議の効力を争わないことを書面で差し入れてもらう対処法が考えられます。

 なお、取締役会の決議なしに、かつ、代表取締役以外の取締役が株主総会を招集した場合には、総会決議不存在確認の提訴が発生する可能性があります。また、株主平等原則に違反する決議に対しては、決議無効確認の提訴が発生する可能性があります。

 このような事態を避けるためには、株主総会を開催して決議を取り直すなどの対応を考えなくてはなりませんが、実際には、改めて株主総会を開催して事後的に追認の決議をしたり、株主およびその他の利害関係者から株主総会の有効性について異議を述べない旨の書面を取り付けたりするにとどめることも多いようです。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2018年5月28日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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執筆:日本情報マート
監修:TMI総合法律事務所 弁護士 池田賢生

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