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2019 中小企業の株主総会「事前の準備は何をすべき?」

日本情報マート

2019.04.26

 2019年の株主総会(この記事では「定時株主総会」を指します)のシーズンになりました。取締役を含め、株主総会の運営を担う人は、法令に基づき、スムーズに進行したいものです。そこで、この記事では中小企業に多く見られる「非上場会社、大会社以外、非公開会社、取締役会・監査役設置会社(会計監査人非設置会社)」を例に、株主総会における事前準備のポイントを紹介します。

 なお、「大会社」とは、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社です。また、「非公開会社」とは、定款上、発行する株式の全部に譲渡制限を設けている株式会社です。

1 株主総会とは

 そもそも、株主総会は企業における重要事項の意思決定機関であり、取締役や監査役などの役員の選任・解任ができるのみならず、役員の報酬などを決定することができます。中小企業の中には、株主が親族や役員のみである企業や株主の数が少ない企業もあり、株主総会の必要性を感じる機会が乏しく、形式的に議事録を作成している会社も少なくありません。

 しかしながら、ひとたび親族間や経営陣の関係が悪化した場合には、経営権を巡って、争いが生じかねません。このような場合、株主総会が適法に開催されていないことが争点になることもあり、株主総会決議の不存在や無効確認の訴え、決議取消しの訴えなど法的手続に巻き込まれる可能性もあります。

 そこで、今回は、株主総会の開催準備について解説していきます。

 株主総会当日の議事運営などは、以下の記事で紹介しているため、併せてご確認ください。

●2019 中小企業の株主総会 「開催当日の運営」
https://resonacollaborare.com/compliance/18042502/

2 株主総会の開催日

 株主総会の開催日について、法令上、「○月○日に開催すべき」との定めはありません。それにもかかわらず、毎年6月の最終営業日の前営業日が、株主総会のいわゆる「集中日」となっているのはなぜでしょうか。

 日本では決算期を毎年3月末日に定めている企業が多く見られます。また、一般的に、株主総会において権利を行使することができる株主を定める基準日を決算期に合わせて設けています。しかしながら、法令上、株主の権利行使は、基準日から3カ月以内に行使するものに限られています。

 そのため、基準日の翌日から3カ月以内に株主総会を開催する必要があるため、6月の最終週が集中日となるのです。なお、6月の最終営業日の前営業日が集中日となっているのは、かつてのいわゆる「総会屋」による株主総会の混乱、延長・長時間化に備えるためです。

 本年において、2019年3月31日を基準日とした場合、集中日は6月27日となります。

3 スケジュール例

 株主総会の招集通知の発送期限などの一部の手続は、法令上の定めに従い、基準日や株主総会開催日などを基に定められた期日に従って行わなければなりません。株主総会のスケジュール例は次の通りです(基準日を2019年3月31日としています)。

基準日を2019年3月31日とした場合の招集通知発送のスケジュールなどを紹介した画像です。

 なお、議決権を行使することができる株主全員が、株主総会の目的事項(報告事項および決議事項)について書面または電磁的方法で同意をした場合、その提案を可決する旨の株主総会決議があったものとみなし、また、株主総会への報告があったものとみなせます。これにより、株主総会の開催を省略することができます。これを書面決議と呼ぶこともあります。

4 開催場所の決定

 株主総会の開催場所は、会社の本店所在地に限られず、自由に決定することができます。ただし、開催場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも著しく離れている場合は、その場所を決定した理由の説明を求められるかもしれません。このようなときは、あらかじめ招集通知に開催場所を変更した理由を記載します。

(注)会社法施行規則第63条2号に該当する場合には、その決定理由を招集通知に記載する必要があります。

 また、株主が出席し難い場所があえて選択された場合には、招集手続が著しく不公正であるとして、総会決議の取消事由になる可能性があります。

5 招集通知の発送

 この記事で例に挙げているような取締役会設置会社の場合、次に記載する主な事項を取締役会で決定しなければなりません。また、取締役会設置会社では、取締役会が株主総会の招集を決定し、定款の定めまたは取締役会の決定に基づいて代表取締役が招集行為をすることになります。

  • 株主総会の日時および場所
  • 株主総会の目的事項(報告事項および決議事項)
  • 株主総会に出席しない株主が書面または電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
  • 役員などの選任・報酬、定款変更など一定の事項が株主総会の目的である事項であるときは、議案の概要

 株主総会を開催する場合、原則として株主に招集通知を発送しなければなりません。招集通知にも、上記の事項を記載する必要があります。また、取締役会設置会社では、取締役会の承認を受けた計算書類および事業報告を招集通知に添付しなければなりません。

 招集通知の発送期限は、会社が公開会社なのか非公開会社なのかなどによって異なります。招集通知の発送期限は次の通りです。図表2における「2週間」とは、招集通知の発送日と株主総会の日を含まず、中2週間(中14日)が必要であるため注意が必要です。

招集通知の発送期限について、要件別に紹介した画像です。

 なお、書面や電磁的方法による議決権行使を認めない場合で、かつ、議決権を行使できる株主全員の同意がある場合、招集通知の発送を省略することができます。

 次回は、株主総会当日の議事運営について解説します。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年4月26日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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執筆:日本情報マート
監修:三浦法律事務所 弁護士 磯田翔
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